京セラコミュニケーションシステム(以下「KCCS」)は8月17日、無人自動配送ロボットによる工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実証実験を北海道石狩市石狩湾新港地域の公道(車道)において開始したと発表した。
新型コロナウイルス感染症の影響により、ラストワンマイル物流における「遠隔・非接触」での物流ニーズの増加や、配送における人手不足がより一層加速すると予測されている。KCCSグループでは、ICT技術と情報通信基盤整備や再エネ設備導入などを通じて蓄積したインフラ構築ノウハウを融合し、地域における物流課題の解決に向けたモビリティサービスの開発に取り組んでいる。
この実証は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」で採択された、北海道石狩市における「工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実現」の取り組みとして実施するもの。
今回の実証実験では、地域内の事業者でシェアリングする無人自動配送ロボットが、小売店商品や企業間輸送貨物などを配送する。これまで国内で実施されている自動配送ロボットの公道走行実証では、主に小型・低速のロボットによる歩道での走行が主流であったが、この実証では、広域にわたる工業団地での共同利用・効率的な配送を想定し、従来よりも大型・高速なロボットに複数サイズのロッカー20個を搭載し、車道を走行する。なお、無人の自動配送ロボットが車道を自動走行する試験は国内初(KCCS調べ)の取り組みとなる。
■実証実験概要
期間:2021年8月16日~9月中旬
概要:1台の無人自動配送ロボットが、地域内の小売店商品や企業間輸送貨物を集荷、効率的なルートを選択・走行し、配送します。ロボットへの荷物の預け入れ、荷物の受け取り、ロッカーの開閉などはスマートフォンで管理する。
走行予定エリア:
・北海道石狩市石狩湾新港地域(石狩市新港西1丁目と3丁目の一部)の一般車が走行する車道を走行
・走行エリアの外周は3km、走行ルートの総長は5km
・地図中の数字は配送先
実証実験協力:
・早稲田大学 大学院 環境・エネルギー研究科 小野田 弘士 教授
・石狩市
・株式会社セコマ
・ヤマト運輸株式会社
・株式会社エンパイア―
・北海道日野自動車株式会社
・石狩湾新港企業団地連絡協議会 事務局 石狩開発株式会社
・石狩新港運送事業協同組合
・協同組合石狩新港卸センター