カワサキモータースは11月9日、イタリア・ミラノ市郊外で10日(木)から開催される「ミラノショー(※1)」に、同社初の電動モーターサイクル(以下、EVモーターサイクル)2機種に加え、ハイブリッドモーターサイクル(以下、HEVモーターサイクル)のプロトタイプ車を展示すると発表した。共に一般向けとしては世界初の展示となると云う。
またこれに伴い、カーボンニュートラルの実現に向けた今後の方針とその象徴となるシンボルマークを制定。環境対応など、ユーザーや社会のニーズに適応した製品・サービスを提供することで、ブランド力をさらに強化し、あらゆる可能性に向けて挑戦していくことなどを示した。
[カーボンニュートラル実現に向けた方針]
・EVモーターサイクル2機種の2023年の発売を目指す。
・HEVモーターサイクルの2024年の発売を目指す。
・水素エンジンモーターサイクルの2030年代前半の実用化を目指します。※2
・EVモーターサイクル、HEVモーターサイクル、水素エンジン、eフューエル(e-fuel/※3)およびバイオフューエルなど多様な選択肢に挑戦し、カーボンニュートラルに対応した内燃機関エンジンの開発にも取り組む。
シンボルマークは、カーボンニュートラルの時代に於いて、社会のニーズに応える持続可能な開発(Sustainable development)、カワサキの技術(Technology)、そしてユーザーを満足させる楽しみ(Fun)による”Good times(グッドタイム)”を提供し、共に”Go with Green Power(ゴー・ウィズ・グリーンパワー)”を実現していきたいという想いが形にされている。
[ミラノショー展示モデルの概要]
■EVモーターサイクル(プロトタイプ)
カワサキ初の電動二輪モーターサイクルとして、ネイキッドタイプの「Z」とフルカウルタイプ「Ninja」の2機種を展示(2023年発売予定)。近距離コミューターとしての活用を想定し、取り外し可能なリムーバブルバッテリーバック2個(バッテリー最大容量3.0kWh/約12kg)を搭載。EUのA1ライセンス(*4)に対応する。
■HEVモーターサイクル(プロトタイプ)
2024年の市販化を目指すハイブリッドモーターサイクルのプロトタイプ。独自開発のストロングハイブリッド型エンジン(*5)を搭載し、燃費の良さと高い走行性能を両立。通勤通学からスポーツ走行やツーリングなど走行シーンに合わせ、モーター走行またはモーターとエンジン併用走行の切り替えが可能。
■水素エンジン(参考出品)
カワサキモーターサイクルのトップエンドモデルである「Ninja H2」のスーパーチャージドエンジンをベースに直噴化。圧縮気体水素を燃料とする研究用エンジン。
■noslisu(ノスリス)(参考出品)
川崎重工の社内公募制度「ビジネスアイディアチャレンジ(*6)」から生まれた電動3輪ビークル。日本では2023年春の発売を目指している。
カーゴ仕様(左)とEV仕様(右)。
※画像の車両は欧州向け仕様ではない。また、EV仕様は、ショー展示車両と車体色が異なる。
■Ninja H2 SX
スーパーチャージドエンジンによる究極の性能と、ロングツーリングでの快適性を追求したハイパフォーマンス・スポーツツアラー。 23年モデルでは新たにハイビームとロービームを自動に切り替えるオートハイビーム機能を搭載。
※1)ミラノショー:正式名称はEICMA(Esposizione Internazionale Ciclo Motociclo e Accessori)。欧州最大級のモーターサイクルショー(開催期間:2022年11月10日~13日)。
※2:実用化時期は、水素供給インフラや各国の法規制の整備状況により変動。
※3)e-fuel:再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素を原料として製造される燃料。人工的な原油ともいわれている。
※4:排気量125cc以下かつ最高出力が11KW(15馬力)以下のモーターサイクルに対応した免許区分。
※5:エンジンを切って電気モーターのみでも走行可能なハイブリッドエンジンシステム。
※6:(川崎重工業、2022年05月18日付ニュースリリース)社内公募制度「ビジネスアイディアチャレンジ」の「noslisu(ノスリス)」プロジェクトを事業化(カワサキモータース):https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20220518_1.html
■ミラノショー(英語):https://www.eicma.it/en/