軌道遠隔監視サービスのイメージ
川崎重工は5月31日、ICT技術を用いた鉄道の軌道遠隔監視サービスを、北米で初めて開始すると発表した。
このサービスの契約を大手鉄道輸送会社と締結し、同社が管理する路線を走行する機関車に監視装置を搭載して、軌道の常時監視などの保守支援を行う。
鉄道インフラでは、運行を維持するために日頃の点検業務が重要とされている。軌道(線路)の点検では、専用車両による走行チェックや徒歩巡回による目視点検などで軌道の健全性を確認し、メンテナンスのタイミングを計画している。
今回のサービスは、センサーやカメラなどの監視装置を車両に設置し、営業運転時に軌道の幅や高さ、ゆがみなどを走行しながらリアルタイムに計測・解析し、軌道の異変が発生すれば即座に鉄道事業者に通知するもの。そして、蓄積したデータを分析し、適切なメンテナンス時期を予測・提示することで、効率的な軌道の保守支援が可能となる。また、営業運転時にデータ収集することで、検査専用車両の運転頻度や目視点検を減らすことができるようになり、省人・省エネ化だけではなく、コスト低減にも寄与する。
川崎重工は、鉄道車両の製造・販売に加え、状態監視事業をはじめとするリモート技術を活用した付加価値の高いサービスなどを鉄道事業者に提供することで、鉄道モビリティの安全安心な運行に貢献していくとしている。
軌道遠隔監視サービスの提供データ(軌道変位5項目:軌間、高低、通り、水準、平面性)