川崎重工が2014年8月にトルクメニスタンの国営公社トルクメンガス(State Concern “Turkmengas”)から、トルコの建設会社・ルネッサンス社とコンソーシアムで受注した世界最大のガス・ツー・ガソリンプラントが、首都アシュガバード市の北に位置するオバダンデペ地区で完成した。
同件は、川崎重工がコンソーシアムのリーダーとして、プロジェクト全体統括、製造設備全体のエンジニアリングおよび機器の供給を担当し、実施において双日の協力を得て行われた。
今回完成したプラントは、デンマークを拠点とし世界中に化学プロセス技術・触媒を提供しているトプソー社の最新技術を採用し、天然ガスを原料として年間60万トンのガソリンを製造する世界唯一のプラントで、天然ガスから合成したメタノールをガソリンに合成する。
製造されるガソリンは、重金属を含まないため、燃焼時に有害物質を排出しない。また、100%化学合成のガソリンであるため、硫黄などの不純物が少なく、各国の厳しい環境規制に対応した高品質なものになると云う。
世界第4位の天然ガス埋蔵量を誇るトルクメニスタンでは、近年、天然ガスの輸出に加え、天然ガスの付加価値を向上させた製品の製造に注力。今後の同規模のプラント増設需要もあり、その関心も高いと云う。
今回完成したプラントは、川崎重工が2014年に完成させた同国東部マリ市の肥料プラント(尿素生産量64万トン/年)とともに、天然ガス資源の高付加価値化に寄与。
川崎重工は、今回完成したプラント建設の経験を活かし、トルクメニスタンおよび周辺国において、今後も地域の人々の豊かな生活に寄与するプロジェクトに積極的に参画していくとしている。