川崎重工は2月18日、コージェネ大賞2021の産業用部門と技術開発部門で「理事長賞」を受賞したと発表した。
コージェネ大賞は、一般財団法人 コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(以下「コージェネ財団」)が主催し、新規・先導性、新規技術、省エネルギー性などにおいて優れたコージェネレーション・システム(以下「コージェネ」)を表彰することにより、社会的認知を図るとともに、普及促進につなげることを目的とした表彰制度。
1.産業用部門 理事長賞
【受賞件名】
コンビナートの熱電需要変化に対応した高効率ガスタービンコンバインドサイクル導入によるプラント総合効率改善
【受賞者】
鹿島南共同発電、川崎重工業
【概要】
2020年に同社が鹿島南共同発電に納入した100MW級ガスタービンコンバインドサイクル発電プラントが高効率であること、環境負荷の低減とエネルギーの安定供給に大きく寄与していることなどが高く評価されたもの。
設備導入の効果は、主に以下の2点。
(1)事業所全体でのプラント総合効率が約28%改善
(2)約16%の省エネとCO2排出量削減及びNOXの大幅削減
2.技術開発部門 理事長賞
【受賞件名】
水素30%混焼 高効率8MW級ガスタービンコージェネ「PUC80D」の製品化
【受賞者】
川崎重工業
【概 要】
水素30%混焼8MW級ガスタービンコージェネ「PUC80D」は、ガス焚きドライ低エミッション(DLE)燃焼器を水素割合に応じて最適なバーナー燃料配分とすることで、燃焼器を変更せずに水素混焼を可能とした。本システムは、新設はもちろん、既に国内外に納入している約100台の「PUC80D」ガスタービンコージェネにも適用可能。また、水素30%混焼により、天然ガス焚き「PUC80D」よりさらにCO2排出量を年間4,000トン削減することができる。今回の受賞は、新設だけでなく既設のPUC80Dコージェネにも水素30%混焼が適用可能で、CO2排出量の削減に大きく貢献できることが高く評価されたもの。
川崎重工は、高効率を誇るガスタービンやガスエンジンなど、分散型のエネルギー供給に適した製品と、それらを組み合わせたコンバインドサイクル発電プラントから最適なエネルギー供給システムを提案できる強みを有している。今後も製品技術力のさらなる向上とプラントエンジニアリング力の強化に積極的に取り組む。また、水素燃料対応のガスタービンでは、PUC80Dで製品化した水素30%混焼システムを2022年度にガスタービン全機種へ展開するほか、2030年までに水素専焼燃焼が可能なマイクロミックス燃焼器を製品化し、カーボンニュートラルに向けたエネルギートランジションにも対応するとしている。