川崎重工とRWE Generation SE(以下「RWE社」)は12月9日、30MW級ガスタービンでは世界初となる水素燃料100%の発電実証について共同で検討を進めることに合意し、2024年中の実証運転開始に向けた詳細協議を開始したと発表した。
事業では、ドイツ・ニーダーザクセン州でRWE社が運営するエムスランド水素パークおよび天然ガス発電所内に、川崎重工が開発した水素燃料対応の30MW級ガスタービン「L30A」を用いたコージェネレーションシステム(GPB300)を設置する。2024年中に拡散燃焼器(ウェット方式)による水素と天然ガスの混焼および水素燃料100%による発電実証運転を開始し、運転データの収集と運用特性の確認を行う計画としている。
30MW級ガスタービンの水素燃料100%による発電は世界初で、川崎重工が2018年に達成した「市街地における水素燃料100%の1MW級ガスタービンによる熱電併給」に次ぐ、CO2フリーの分散型発電や自家用発電を実現するための取り組みとなる。
また、実証試験に用いる水素燃料は、RWE社が保有する約2GWの風力発電施設から供給される電力を使い、水を電気分解することでつくられたCO2フリーの水素を利用する予定。
さらに将来的には、川崎重工が開発中のマイクロミックス燃焼技術を適用したドライ方式の低NOx燃焼器による水素燃料100%の発電実証試験を実施することも検討している。
30MW級ガスタービン「L30A」