川崎重工は7月26日、米国現地法人のKawasaki Rail Car(ニューヨーク州ヨンカース市/以下、KRC)を通じて、ニューヨーク市交通局(以下、NYCT/※1)向けの新型地下鉄電車「R211」の初編成を納入したと発表した。
米国現地法人Kawasaki Motors Manufacturing(U.S.A)のリンカーン工場(ネブラスカ州)で製造・納入された地下鉄電車「R211」は、ニューヨーク地下鉄の近代化や継続的な利用者の増加、また旅客サービス向上の計画に伴い、既存の地下鉄電車(R46)の置き換えとして導入されるもので、LED照明やデジタル表示器や混雑時のスムーズな乗り降りを考慮した従来よりも広いドアを採用。2018年2月に受注したベース契約535両の第一編成(5両)として、営業路線試験など、約1年の各種検証試験が行われた後、営業運転が開始される。
この契約にはまた、車両貫通路を搭載した10両編成の試験車両2編成も含まれ、乗客の流動性改善効果の試験評価にも使用。さらに、最大1,077両のオプションも付随されており、全て行使された場合、川崎重工は、過去最大規模となる総数1,612両を生産することになると云う。
なお、川崎重工では、NYCT向けの地下鉄電車を1982年の受注(R62)以来、継続的に製造しており、2,200両を超える納入実績を有している。
<地下鉄電車「R211」の概要>
– 車種:地下鉄電車 (5両/編成)
– 寸法:18.44m(長さ) x 3.00m(幅) x 3.665m(高さ)
– 車体素材:ステンレス
川崎重工は、今後も高い技術力と信頼性の下、環境負荷の少ない交通手段である鉄道車両を国内外に提供していくとしている。
※1:NYCT (New York City Transit) は、ニューヨーク州交通局(MTA:Metropolitan Transportation Authority)傘下の地下鉄、バスの運行会社。MTAの傘下には、NYCTの他、ロングアイランド鉄道、メトロノース鉄道がある。