写真は日本での調印式、左から欧州委員会・委員のカドリ・シムソン氏(エネルギー担当)、ダイムラー・トラック 副社長マンフレッド・シュッカート氏(トラック・バス規制戦略担当)、川崎重工 代表取締役社長執行役員 橋本康彦氏、経済産業省大臣 齋藤健氏
川崎重工業とDaimler Truck(ダイムラー・トラック)は欧州の道路貨物輸送の脱炭素化に向け「ドイツ向け液化水素サプライチェーンの構築および欧州に於ける液化水素ステーションの輸送網の構築に向けた協力の覚書」6月3日に締結。加えて6月11日にドイツの首都ベルリンで締結セレモニーを行った。
この覚書は、道路貨物輸送における液化水素の利用拡大を目指すもので、今後、両社で、液化水素サプライ チェーン構築の検討に加え、液化水素ターミナル、大型及び中規模の海上輸送、大規模な液体水素貯蔵 についても、併せて検討を進めていくという。そして、2030年代早期に欧州への液化水素サプライチェーンの確立を目指す。
また今後、両社は水素事業への取組みを更に加速させ、世界のカーボンニュートラル目標の達成と持続可能な未来に向けた脱炭素化に貢献していくとしている。
写真はベルリンでのセレモニー。左手前より川崎重工 取締役会長 金花芳則氏、ダイムラー・トラック 取締役会会長兼 CEO マーティン・ダウム氏。更に写真左奥より在ドイツ日本国大使館 特命全権大使の柳秀直氏、経済産業省 副大臣 岩田和親氏、欧州委員会上級委員 マロシュ・シェフチョビッチ副委員長、連邦経済・気候保護省ステファン・ヴェンツェル政務次官
両社の覚書締結にあたり川崎重工 取締役会長 金花芳則氏は、 「川崎重工は、水素キャリアとしての液化水素に着目し、水素液化機、液化水素運搬船、液化水素貯蔵タンクなど、国際的な水素サプライチェーンの構築に必要なあらゆるコア技術を開発しています。
世界最大の需要がある欧州の水素市場に於いて、ドイツでの取組みは極めて重要です。ダイムラー・トラックは液化水素を燃料とする次世代燃料電池トラックの開発を進めており、液化水素市場の先駆者となると確信しています。今回の連携は大変喜ばしく、このプロジェクトで協力できることを誇りに思います」と述べた。
一方でダイムラー・トラック 取締役会会長兼 CEOのマーティン・ダウム氏は、 「ダイムラー・トラックは、持続可能な道路貨物輸送を推進しており、水素は脱炭素化の重要な役割を果たします。
我々は、適切にトラックやバスを提供することに加えて、グリーン水素のサプライチェーンを構築し、それによって、コストを下げることが極めて重要であると考えています。
川崎重工との取組み は、経済的な価格でグリーン水素の提供を実現するために、ダイムラー・トラックが追求している包括的な視点と活動をより一層強化することに繋がります」と語っている。