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2024年10月31日【事業資源】

霞ヶ関キャピタル、青森県八戸市に賃貸型冷凍自動倉庫を竣工

坂上 賢治

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不動産コンサルティング事業を主軸に施設開発を手掛ける霞ヶ関キャピタルは10月31日、予てよりJA三井リース建物との共同開発プロジェクトとして推し進めてきた『LOGI FLAG TECH八戸Ⅰ』をこの度、竣工させたことを明らかにした。

 

上記の冷凍自動倉庫とは、零下の過酷な環境に対応している自動倉庫を指す。今やインターネットで食品を購入するのが当たり前になった昨今、安全に食品を保管することが可能な温度管理倉庫は無くてはならない存在になっている。

 

特に、倉庫内の温度を常にマイナス20℃以下に保つ冷凍倉庫は、冷凍食品市場が急速に拡大する中で超低温状態を維持しなければならないことを踏まえ、冷凍倉庫の存在感が年々増している。実際に、経済産業省が公表したデータを見ても、「冷凍調理食品」の製造品出荷額は増加傾向となっている。

 

但し冷凍倉庫は、保管する食品の品質を守るため、超低温状態を保っていなくてはならないことから、人が作業することを考えると非常に過酷な現場であると考えられ、人の手による作業の効率は決して良いとは言えない。

 

そこで、こうした問題を解決するのが冷凍倉庫の自動化だ。冷凍自動倉庫の導入は、過酷な環境下での作業や人手不足などの課題を解決でき、荷物の搬入・搬出時に冷気ロスが少なくなることから、電力消費量の削減なども期待することができる。

 

またそもそも自動化を導入ることにより、人が作業する必要がなくなるため、労働環境の改善を図ることができる。 また、その多くは多品種小ロットにも対応しているため、フレキシブルな生産体制を確立できる。 結果、属人化も解消され業務品質が向上する他、生産性を向上できるメリットもある。

 

そんな冷凍自動倉庫は、霞ヶ関キャピタルにとって初のBTS(Build To Suit:テナントの要望に応じて建設された倉庫)案件であり、青森県および八戸市の誘致企業に認定された輸送・倉庫事業者のネキストイーストから物流拠点整備の要望を得たことを契機に、八戸北インター工業団地内での開発プロジェクトとして始動させた。

 

1. 本施設の特徴
今回、企画・開発した施設は、去る2024年9月に竣工した『LOGI FLAG TECH 所沢Ⅰ』に続く、企画・開発する冷凍自動倉庫の第2号案件。

 

八戸自動車道「八戸北 IC」より約2.5kmという好立地に位置する他、八戸港、三沢空港へのアクセスも良好であり、物流施設として高い交通利便性を有している。

 

また、高速道路や国道45号・国道4号等を利用して青森県東部から岩手県北部まで管轄できることに加えて、八戸市街地へも約7kmのアクセスにあり高頻度の地域配送拠点としても機能する立地にある。

 

施設が所在する青森県八戸市は水産資源に恵まれている他、畜産業をはじめとする農業も盛んなエリア。

 

当該施設は、こうした食品の生産・加工拠点に近接する冷凍保管拠点のニーズに対応するべく自動ラックを導入した-25℃帯の「自動型保管庫」に加え、LOGI FLAGシリーズでは初となる-35℃帯まで急速凍結を行える「凍結庫」。

 

更には出荷前の製品の鮮度維持を目的としてパーシャル領域(0℃帯)まで温度可変が可能となる「仕分け室」の区画も導入してされている。

 

2. 施設概要

(1) 物件名: LOGI FLAG TECH 八戸Ⅰ
(2) 所在地: 青森県八戸市北インター工業団地 2 丁目 1 番 40 号
(3) 交通: 八戸自動車道「八戸北 IC」より約 2.5 ㎞
(4) 延床面積* :15,917.84 ㎡(4,815.14 坪)
(5) 敷地面積: 22,802.47 ㎡(6,897.74 坪)
(6) 構造: 鉄骨造地上 2 階建
(7) 設計: 株式会社川島隆太郎建築事務所
(8) 施工: 東北建設株式会社、株式会社ヤマダ技研
(9) スペック:
 ・梁下有効高 5.5m
 ・床荷重 1.5t/㎡
 ・冷凍自動倉庫,冷凍庫にノンフロン(自然冷媒)採用
 ・冷凍自動倉庫内保管パレット数 8,952 パレット
 ・凍結庫(- 35℃)×3 室
 ・冷蔵仕分け室×1 室
(10) 評価認証: CASBEE 建築評価認証 A ランク取得
*自動倉庫は吹き抜け構造で床がないため延床面積は仮想床での面積を記載

 

専用ウェブサイトは右記の通り:https://logiflag.com/ 、当該拠点の『LOGI FLAG TECH八戸Ⅰ』は物流施設を 1 本の旗になぞらえ、日本・世界へ次々とこの旗を掲げていくことが『LOGI FLAG』の名前の由来でもある。

 

霞ヶ関キャピタルでは、「物流業界を取り巻く課題を解決し、未来を切り開くパートナーとして、様々な需要に応えられる新たな価値をご提供し続けます」と結んでいる。
※『LOGI FLAG』は、霞ヶ関キャピタル株式会社の登録商標。

 

会社情報
会 社 名:霞ヶ関キャピタル株式会社
設 立:2011年9月
代 表:代表取締役 河本 幸士郎
本 社:〒100-0013 東京都千代田区霞が関3丁目2番1号 霞が関コモンゲート 西館 22階
資 本 金:184億9392万円(資本準備金含む)※2024年8月末日現在
従業員数:256名(単独)※2024年8月末日現在
主な事業:不動産コンサルティング事業(物流施設開発、ホテル開発、ヘルスケア施設開発、海外事業

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。