関西電力、ダイヘン、大林組は11月19日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)が行う「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」において、電気自動車(以下「EV」)の走行中給電システムに関する技術開発を提案し、助成事業に採択されたと発表した。
プロジェクトでは、非接触で給電可能なEVの走行中給電システムと都市全体へのエネルギーマネジメントシステム(以下「EMS」)の技術開発に取り組む。走行しながらの給電を可能とすることで、走行距離の延長と充電の利便性の向上を目指すとともに、常にEVと電力系統を接続することで、昼間に余剰となる再生可能エネルギーによる電気の有効活用を目指す。
開発にあたっては、3社に加え、当該分野で最先端の研究を行っている各大学とともに、産学連携の上、取り組む。さらに、開発成果の普及を促す取組みを主導する組織・団体として、一般社団法人日本自動車工業会も参画、オールジャパンの体制で取り組むという。
今後、EV走行中給電システムおよびEMSの技術開発を進め、ダイヘンの試験場(大分県)において、EMSからの給電制御試験や電磁波等の安全性、給電システムの道路埋設に関する課題抽出を行う。その上でまずは、技術開発の成果を、大阪・関西万博での実装を目指して積極的に取り組むとしている。
■EV走行中給電システムの技術開発
・コイル方式の技術開発を行う。
・コイルから発生する電磁界の周辺への影響評価を行い、システムの安全性を確立する。
・道路埋設課題を抽出し、適切な埋設位置検討や道路の耐久性評価を行う。
■走行中給電システムが導入された都市(スマートシティ)全体へのエネルギーマネジメントシステムの技術開発
・EV車両の動態(車両位置情報およびバッテリー状態)管理機能の開発を行う。
・EV車両の動態情報と再生可能エネルギー発電量等の電力需給情報をもとにした、給電制御機能の開発を行う。