関西電力とオリックスは7月14日、事業では、電力需給の安定化や再生可能エネルギーの導入加速を目的に、大型蓄電池を電力系統に接続し、電力の余剰時には蓄電、不足時には放電を行う蓄電所事業(※1)を、和歌山県紀の川市で実施することで合意したと発表した。紀の川変電所内への蓄電池設置を8月から開始し、2024年4月の事業開始を目指す。
なお、関西電力初となる大型蓄電池(定格出力48MW、定格容量113MWh)では、1日1サイクルの充放電をした場合に、一般家庭約1.3万世帯の1日の使用量に相当する電力を賄うことができると云う。
日本では、2050年のカーボンニュートラルの達成に向け、再生可能エネルギーの導入拡大が進む一方、電力需要の少ない時間帯には、再生可能エネルギーの出力抑制も発生するなど、発電量の変動が大きな再生可能エネルギーの活用に於いて、その変動に対応する調整力の確保が課題になっている。
関西電力とオリックスは、調整力の供出や再生可能エネルギーの余剰電力の吸収、需給逼迫時の放電取引を、需給調整市場(※2)や日本卸電力取引所(※3)、容量市場(※4)等の電力市場を通じて行うことで、電力需給の安定やカーボンニュートラルの実現に貢献するとしている。
※1:環境共創イニシアチブ「令和3年度補正 再生可能エネルギー導入加速化に向けた系統用蓄電池等導入支援事業」に採択。
※2:一般送配電事業者が周波数調整や需給調整を行うための調整力(電力)を、市場を通じて、効率的に調達・運用するために2021年4月から開設された市場。
※3:発電事業者と小売事業者の間の電力売買を行う取引所。
※4:将来に亘って日本全体の供給力(kW)を効率的に確保する市場。
[蓄電所事業の概要]
<蓄電所の概要>
– 名称:紀の川蓄電所
– 事業開始:2024年4月予定
– 設置場所:関西電力送配電株式会社 紀の川変電所構内
– 定格出力:48MW
– 定格容量:113MWh
– 敷地面積:約8,000㎡
– 電池方式:リチウムイオン電池
<事業体制>
– 関西電力株式会社:蓄電池の運用。
– オリックス株式会社:蓄電池の保守・メンテナンス、アセットマネジメント。
– 紀の川蓄電所合同会社:紀の川蓄電所の運営。
<紀の川蓄電所合同会社>
– 設立:2022年6月1日
– 代表者:高山 知也
– 所在地:東京都千代田区丸の内三丁目1番1号 東京共同会計事務所内
– 出資比率 関西電力株式会社50%、オリックス株式会社50%