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2020年11月9日【IoT】

金沢工大、量子コンピュータ研究の国家研究プロジェクトに参画

NEXT MOBILITY編集部

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金沢工業大学は11月9日、電気電子工学科の井田次郎教授研究室が、量子コンピュータ研究の国家プロジェクトに参画すると発表した。プロジェクトでは、量子コンピュータ制御用半導体集積回路「量子・古典インターフェース」に使用されるトランジスタの極低温下での動作原理を解明することを目指す。この研究は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)からの再委託であり、東京大学と金沢工業大学の井田研究室が担当することになる。

 

 

井田研究室が参画する研究プロジェクトは「超伝導体・半導体技術を融合した集積量子計算システムの開発」(代表 産総研。研究開発責任者 川畑史郎)で、国立研究開発法人新エネルギー・産業開発機構(NEDO)の大型公募研究「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」の追加公募に採択されている。量子力学の原理を情報処理に利用した次世代コンピューティングとは、「量子アニーリングマシン」や「汎用量子コンピュータ」等の非ノイマン型コンピュータ技術に該当する。

 

 

■研究の概要:低温MOSFET技術の研究開発

井田研究室は、プロジェクトの研究開発のうち、量子・古典インターフェース技術(QC-IF)の開発を担当する。

量子コンピュータ(汎用量子コンピュータ及び量子アニーリングマシン)には、マイクロ波で量子ビット制御を行うために多くの配線が使われるが、量子コンピュータを大規模化すると、量子コンピュータが設置された冷凍機への膨大な配線増加とそれによる熱流入、消費電力の爆発的な増大が深刻な課題となってくる。この課題を解決するため、制御システムを小型化・集積化・オンチップ化したMOSFETと呼ばれるトランジスタを利用した低温動作大規模半導体集積回路(量子・古典インターフェース)の技術開発と量子・古典インターフェースの冷凍機内への実装が必須となる。

 

井田研究室では、半導体集積回路のデバイス・インテグレーション技術、完全空乏型SOI(FD-SOI。トランジスタの構造の一種)技術に多くの知見と経験を持つ。FD-SOIによる極低電力デバイスの新規提案・研究開発などの実績があり、主要国際学会で活発に活動していたことから、今回、東大とともに、産総研から打診があり研究プロジェクトに参加することとなった。

 

 

今回の研究プロジェクトにおいて、井田研究室は、量子・古典インターフェースに適したMOSFET技術がどのようなものであるかを明らかにし、低温下での動作物理機構の解明と、物理ベースコンパクトモデルの開発を実施する。2022年度までに、MOSFET技術によって削減可能な制御回路の消費電力について見込みをつける予定。

 

 

研究の第1ステップとして、シリコン電子デバイスを4K(ケルビン、約-269℃)程度の極低温で使うための基盤技術の構築に取り組む。井田研究室は研究室が保有する完全空乏型SOI-CMOS素子を使った極低温下での動作実験を開始する。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。