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2024年3月28日【MaaS】

上士幌町、自動運転バスに「AI車掌」を自治体初導入

坂上 賢治

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AI車掌「萩音士 清平(しゅうおんじ きよひら)」

 

エンタメ系デザイン集団のTRIBALCON.(トリバルコン/東京都渋谷区)は3月28日、北海道・上士幌町(かみしほろちょう)の自動運転バスに導入されるAI車掌「萩音士 清平(しゅうおんじ きよひら)」のサービス設計、キャラクター企画開発を担った。トリバルコン調べによると自動運転バスにAI車掌が導入されるのは全国の自治体で初という。

 

このAI車掌を設ける切っ掛けとなったのは、上士幌町に於いて自動運転レベル4の無人走行が可能となった際、これまで煩雑に行われてきた車内コミュニケーションの低下を危惧したことにある。

 

そこで、これを受けて法人の好感度UPに取り組むスパイスボックス(本社:東京都港区)が上士幌町へ対話型AIキャラクターの導入を提案。より具体的には、先のトリバルコンがキャラクター企画立案を担当。更に音声認識のアドバンスト・メディア(本社:東京都豊島区)がAI音声対話アバターシステム「AI Avatar AOI(エーアイ アバター アオイ)」を提供。3社でAI車掌「萩音士 清平」を開発・提供した。

 

なおAI車掌のキャラクター設計では、上士幌町役場の職員とのリサーチとディスカッションを経て、「バス利用者の情報」「上士幌町の特徴」を調査。AI車掌「萩音士 清平」独自の世界観をビジュアル化した。

 

キャラクターへ命を吹き込むボイスやモーションについても、ボイス収録・Live2D制作などキャラクターに関わる全般を監修し、バス利用者が話し掛け易いオリジナルキャラクターを目指した。

 

その結果、AI車掌は「GPS機能を利用したバス停案内」や「上士幌町のおすすめ情報を音声対話機能で提案」する他、AI車掌の表示画面をタップするだけでユーモアを交えた自動会話にも対応するという。

 

 

その他、AI車掌に搭載した機能は以下の通り

 

1.バス停留所の周辺情報案内
GPS機能と連携し、バス停留所やその周辺情報の自動音声案内を行う。これはバス停留所の位置情報を設定することで、次に停車するバス停留所の情報や定期おすすめ情報、町のイベント情報、有料広告枠の情報を音声で案内するもの。音声案内のタイミングはGPSによる位置指定、または時間で設定可能としている。

 

2.AI音声対話
バス停留所の周辺情報案内に加え、AI車掌と自由に会話を楽しむことができる。キャラクターやユーザーに関連する情報をインプットし、不適切な会話を回避するよう設定したキャラクタードキュメントと、制御されたChatGPTのデータベースから、AIが適切な返答を選択することで、より正確性の高い適切な回答を実現できるようにした。

 

3.AIスペシャル機能
バス利用者に親近感を持ってもらうために、AI車掌によるワンフレーズ歌の歌唱や、上士幌町にちなんだ早口言葉、じゃんけんなど、特別なコミュニケーション機能を用意した。

 

自動運転バスの運行内容や仕様については以下の通り

 

定員:11名(乗務員除く)
運行速度:最大20km/h未満
運行日 :【道の駅循環線】月曜、木曜、土曜
     【西団地・北団地循環線】月曜、木曜
全ての曜日・運行ルートで、2024年4月1日(月)よりAI車掌を搭載。
少子高齢化によって生じる公共交通機関の課題にICTを活用して対応するための手段として、2017年に北海道初となる自動運転バスの公道走行実証を皮切りに、段階的に実証実験を実施。2022年12月より自動運転レベル2による定期運行を開始し、2024年度中に一部区間での自動運転レベル4の実現を目指す。

 

 

以下は参画法人の各概要となる

 

上士幌町
北海道十勝地方の北部に位置し、人口は約5,000人、面積は東京23区より広い約700平方kmを抱え、その76%を森林が占める緑豊かな町。また、日本で初めて熱気球の大会が開かれた「熱気球のまち」としても知られている。

 

近年では全国トップレベルの酪農業を軸に、バイオガス発電とエネルギーの地産地消、自動運転バスやドローン配送の実装などICT技術を活用した持続可能な取組が評価され、第4回SDGsアワードで内閣官房長官賞を受賞した。

 

「かみしほろシェアOFFICE」「企業滞在型交流施設/にっぽうの家」を起点としたテレワーク・ワーケーションの受入を通じ、関係人口の創出にも取組んでいる。

 

株式会社TRIBALCON.
エンターテインメント業界のグラフィックデザインを中心に活動するクリエイティブチームBALCOLONY.のグループ会社として2015年に設立。エンターテインメント事業に関わってきた経験と実績を活かし、作品ファンの方々と良質なコミュニケーションを取るために、クリエイティブ領域で力を発揮する。

 

株式会社スパイスボックス
企業やブランドへの好意、共感醸成を支援する、コミュニケーション・カンパニー。2003年、日本初のデジタルエージェンシーとして創業。さまざまな企業のブランディング支援を手掛けている。

 

スマートフォン、ソーシャルメディアが一般化して以降は、“生活者”に共感を呼ぶ「エンゲージメントコミュニケーション」施策の設計、提供を強みとし、様々なクリエイターやアナリストと共に、調査からコンテンツ企画、制作、発信までを一気通貫でサポートしていく。

 

株式会社アドバンスト・メディア
1997年に設立。Interactive Systems, Inc.(米国)と日本語音声認識AmiVoiceを共同で開発し事業化。2005年には、音声認識専業の企業として初の東京証券取引所マザーズ市場(現:グロース市場)に上場し、音声認識事業で日本で初めて通年ベースで黒字化を達成した。AI音声認識AmiVoiceを主軸にした事業では、会議、医療、コンタクトセンター、建設・不動産、物流・製造などの領域特化型エンジンとして、幅広いシーンで活用されている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。