Libuddy セル外観
ジェイテクトは2月7日、自社の高耐熱リチウムイオンキャパシタの商標「Libuddy」(リバディー)を、日本国内に於いて登録した。
同社は、大型車への電動パワーステアリング(EPS)へ搭載する補助電源として、2017年に世界で初めて自動車の車室内温度要求に適合するNo.1 & Only Oneの高耐熱リチウムイオンキャパシタを開発した。
その高耐熱リチウムイオンキャパシタは、高耐熱・高出力・長寿命等の強みを背景に、開発当初の目的であったEPSの補助電源という役割を超える多様な産業へ向けて2019年に量産を開始。
今回、同製品の汎用性と信頼性を活かし、自動車業界、工作機械、建設機械、鉄道、交通インフラ環境下での〝電力補助〟〝電源バックアップ〟〝電源回生〟〝電源安定化〟〝主電源〟としての役割を産業領域を問わず幅広く認知して貰うべく、蓄電デバイスの相棒を連想させる新たな商標の「buddy」として登録することにした。商標ロゴの意匠は、Libuddyの「L」をチェックマークに模し、低温を想起させるブルーと高温を想起させるレッドでカラーリング。
持ち前の性能を、(1)-40℃~85℃の低温環境・高温環境いずれも使用できる業界トップの動作温度範囲。(2)自己発熱(ジュール発熱)に伴う劣化の大幅抑制で実現した高負荷連続使用時での高耐久性。(3)発火しにくい材料構成による優れた安全性。(4)自動車分野で培った高い信頼性を視覚的に表現したという。
そんな同社の「Libuddy」は、二次電池に分類される蓄電デバイス。電気の出入り(放電・充電)が非常に早く、出力密度に優れている。
また繰り返し充放電による性能劣化が少なく、電池寿命が長い。更にジェイテクトの独自技術により従来のキャパシタの動作温度範囲を凌駕する-40℃~85℃としている。
内部構造では、正極に活性炭を用い、リチウムイオン二次電池で懸念される熱暴走反応を誘発する酸素を含有しておらず、発火リスクが極めて低い安全な材料構成となっているのが大きな特徴となる。また、車載用途にも利用可能な優れた耐久性能も兼ね備えた製品だという。
ジェイテクトでは、「コンピュータ機器のUPS装置への量産採用」「水素燃料電池ドローンの運動性能を飛躍的に向上させる補助電源」「モータースポーツ競技に於けるハイブリッド主電源」「乗用車や商用車の12V補機電源」など、既に多くの採用実績や検討領域を持っていることを背景に、同社の新たな事業の柱にしていく目標を掲げている。
参考:「Libuddy」のこれまでのあゆみ
– 2017年 高耐熱リチウムイオンキャパシタ開発について
https://www.jtekt.co.jp/news/2017/001626.html
– 2019年 高耐熱リチウムイオンキャパシタを量産開始
https://www.jtekt.co.jp/news/2019/001247.html
– 2021年 高耐熱リチウムイオンキャパシタが第35回中日産業技術賞経済産業大臣賞を受賞
https://www.jtekt.co.jp/news/2021/001119.html
– 2022年 ジェイテクト製高耐熱リチウムイオンキャパシタが日野チームスガワラのダカール・ラリー2022完走に貢献
https://www.jtekt.co.jp/news/2022/000160.html
– 2022年 高耐熱リチウムイオンキャパシタが第72回自動車技術会賞技術開発賞を受賞
https://www.jtekt.co.jp/news/2022/000183.html
– 2022年 ジェイテクト製高耐熱リチウムイオンキャパシタ搭載の水素燃料電池ドローンが試験飛行に成功
https://www.jtekt.co.jp/news/2022/000255.html
– 2023年 物流網を支えるドローンに貢献~愛知県採択の「空と道がつながる愛知モデル2030」に参画~
https://www.jtekt.co.jp/news/2023/003137.html
– 2023年 高耐熱リチウムイオンキャパシタ搭載製品が市販開始~萩原テクノソリューションズ株式会社のメンテナンスフリーUPS『H3UPS-J』に採用~
https://www.jtekt.co.jp/news/2023/003582.html