九州旅客鉄道(JR九州)は10月28日、開業準備を進めている九州新幹線(武雄温泉・長崎間)に新型車両「N700S」を導入し、その列車名を「かもめ」にすると発表した。
「かもめ」は、1961年に運行を開始し、現在まで約60年もの間親しまれてきた長崎行きの特急列車。今後は、九州新幹線の名称として受け継がれることとなった。
[導入車両概要]
– 車両形式:N700S
– 編成両数:6両
※JR東海が営業投入しているN700Sの16両編成を6両編成に短編成化。
[N700Sの主な特徴]
(1)安全性・安定性の向上
・ATCとブレーキシステムを改良し、地震時のブレーキ距離を短縮。
(2)異常時対応力の強化
・バッテリ自走システムを搭載し、長時間停電時において自力走行可能。
・防犯カメラを、従来の客室入口やデッキ部に加え、客室の天井にも設置。車内におけるセキュリティを強化。
・緊急時に利用客と乗務員が通話できる装置を、客室内の分かり易い場所に設置。異常時の即応体制を強化。
・自然災害等で長時間停電した場合でも一部トイレの使用が可能。
(3)快適性・利便性の向上
・モバイル用コンセントを全座席に設置。
・多目的室・多機能トイレ等のバリアフリー対応設備を設置。
(4)ランニングコストの低減
・走行抵抗を低減した先頭形状(デュアル スプリーム ウィング形)の採用や次世代半導体「SiC素子」の駆動システムの採用により、消費電力を削減。
・パンタグラフやブレーキ装置の摩耗部品の長寿命化や交換周期の延伸で、検修作業を省力化。