北海道旅客鉄道(JR北海道)は10月14日、新型コロナウイルス感染症の影響による利用客の大幅な減少を理由に、来春のダイヤ見直しを検討すると発表し、その概要を公表した。
JR北海道は、新型コロナウイルス感染症の影響による訪日外国人の利用の大幅減少や、出張等のビジネス利用や夜間帯の利用減少など、その回復には相当時間が掛かるとの予想から、来春のダイヤを、利用状況に合わせた見直しを検討。これら施策により、年間約5.5億円の経費削減が見込まれると云う。
[ダイヤ見直しについて]
<ポイント>
・利用が大きく減少している列車を中心に、減便・減車や定期列車の臨時 列車化を検討する。
・都市間輸送をはじめ、札幌圏を含む全道的な普通列車の見直しを図る。
・今後も鉄道事業を継続するために、固定費を含めた経費節減を図る。
<実施概要>
(1)札幌~函館間 特急「北斗」 定期24本 → 定期20本+臨時2本
・夜間帯で利用の少ない上下1本ずつの取りやめを検討する(経費節減の他、夜間の保守作業間合いの拡大による作業の効率化) 。
・上下1本ずつを臨時列車とし、利用状況にあわせた運転を検討する(年間30日程度の運休) 。
(2)札幌~旭川間 特急「カムイ」・「ライラック」 定期48本 → 定期44本+臨時4本
・上下2本ずつを臨時列車とし、土休日と繁忙期など利用の多い日の運転を検討する(年間230日程度の運休)。
(3)旭川~網走間 特急「大雪」 定期4本 → 臨時4本
・特急「大雪」を臨時列車とし、利用状況にあわせた運転を検討する(年間50日程度の運休)。
・札幌直通の特急「オホーツク」4本は現行体系を維持する。
【旭川~網走間の運転本数】
(4)旭川~稚内間 特急「サロベツ」 定期4本 → 定期2本+臨時2本
・特急「サロベツ」2本を臨時列車とし、利用状況にあわせた運転を検討する(年間30日程度の運休)。
・札幌直通の特急「宗谷」2本は現行体系を維持する。
【旭川~稚内間の運転本数】
(5)特急「北斗」・「おおぞら」の減車
・通常の運転は5両編成とし、利用状況にあわせて増結を行う。
北斗:現行7両 → 5両
おおぞら:現行6両 → 5両
(6)札幌圏列車の一部見直し
・全体的な利用の減少にあわせて、10本程度の列車の見直しを検討する。
・輸送力の適正化を図るため、10本程度の列車の土休日運休を検討する。
(7)普通列車の一部見直し
・利用の少ない列車の見直しを検討する。
函館線(滝川~旭川間)、留萌線、石北線、宗谷線(旭川~名寄間)
根室線(滝川~新得間・新得~帯広間)
(8)利用の少ない駅の見直し
・利用状況を踏まえ、極端に利用の少ない駅の見直しを検討する(現在、利用の少ない駅のうち36駅について、廃止または自治体による維持管理への移行を関係する沿線自治体と協議中。18駅程度を廃止の方向で協議)。
<経費節減額>
年間約5.5億円(減便・減車:年間約5.0億円/駅の見直し:年間 約0.5億円)
<実施時期>
2021年春予定(詳細が決まり次第、改めて告知)