東日本旅客鉄道(JR東日本)は、現在、バス高速輸送システム(BRT)により運行している気仙沼線(柳津~気仙沼間)及び大船渡線(気仙沼~盛間)について、鉄道事業法第28条の2(事業の廃止)に基づき、11月12日付けで国土交通大臣に鉄道事業廃止の届出を行った。
BRTは、バス・ラピッド・トランジット(Bus Rapid Transit)の略で、連節バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせて、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が期待されるバスシステム。
JR東日本は、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた施設のうち、気仙沼線(柳津~気仙沼間)と大船渡線(気仙沼~盛間)について、安全確保など復旧にあたり課題も多く、相当の時間がかかることが想定されたことから、地域の交通を責任を持って守りつつ、早期に輸送サービスを提供することを目指して、「BRTによる仮復旧」を沿線自治体に対し提案。
気仙沼線については2012年8月20日からの暫定運行を経て12月22日から同社が事業者となり運行を開始、大船渡線については2013年3月2日から運行を開始している。
そして今回、将来にわたりBRTを運行するための課題整理等の目途が概ね立ってきたとして、鉄道事業廃止の届出を行った。
JR東日本は、BRTは道路運送法に基づき運行しており、鉄道事業の廃止による運行・サービス水準の変更はないとしている。
※タイトル画像:JR東日本ホームページより
国交省が公衆の利便の確保に関する意見を聴取
東北運輸局は、気仙沼線(柳津~気仙沼間)及び大船渡線(気仙沼~盛間)の鉄道事業の廃止による公衆の利便の確保に関する意見の聴取を実施する旨を、11月12日に公示した。
意見の聴取は、鉄道の廃止の是非ではなく、関係地方公共団体及び申請のあった利害関係人から廃止を行った場合における公衆の利便の確保に関するものに限られ、公示日から10日のみ受け付ける。
詳細については、国土交通省のホームページ(PDF / http://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/puresu/puresu/td191112.pdf)参照のこと。
■(JR東日本)気仙沼線・大船渡線BRT(バス高速輸送システム):https://www.jreast.co.jp/railway/train/brt/system.html