東日本旅客鉄道(JR東日本)は11月19日、観光による東日本大震災からの東北復興支援や地域の活性化を目指し、2014年4月に釜石線で運行を開始した「SL銀河」の運行を、旅客車(キハ141系)の老朽化に伴い、2023年春を以て終了すると発表した。
SL銀河は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を主なテーマに、列車全体をプロデュースし、彼が東北で暮らした時代や世界観、そして空気感といった「文化・自然・風景」が感じられるよう車内を演出した観光列車。2014年4月12日の運行開始以来、主に春から初冬にかけ土日を中心に釜石線花巻駅~釜石駅間での運転を行い、現在までに約5万7,000人が乗車した。
SL銀河では、機関車に、1972年まで山田線・釜石線・大船渡線を中心に運行された後、岩手県営運動公園で展示保存されていた車両を復元した「C58-239号機」を、また旅客車には、JR北海道から譲り受けた50系客車を改造し、急勾配のある釜石線でもSLの運転ができるようエンジンを付けた「キハ141系車両」を用いて協調運転が行われてきたが、今回、旅客車の老朽化に伴い、2023年春を以て運行が終了されることとなった。
JR東日本は、運行終了までは、引き続きSL銀河を活用した様々なイベントを計画すると共に、運行終了後も、新たな観光列車の運行に向けて検討を進めるなど、地域住民らと観光振興に取り組んでいくとしている。
[SL銀河運行終了の概要]
– 最終運行時期:2023年春
– 今後の運行予定:
・2021年は12月5日までの土曜日、日曜日に運行。
(土曜日は花巻~釜石間、日曜日は釜石~花巻間の運行)
・2022年は春から初冬まで、そして2023年は春のみの運行を予定。
※詳細は決まり次第告知。運行予定は変更となる場合がある。
■(JR東日本)SL銀河:https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/galaxysl.html