東日本旅客鉄道(JR東日本)は、8月27日、シンガポールで公共交通事業を行うSMRT社ならびに同国最大のリテーラーでコンビニチェーンのCheersを展開するNTUC Fairprice(以下、NTUC社)と各子会社を通じ、12月に開業予定のトムソン・イーストコースト線駅構内商業区画の開発・運営権を陸上交通庁(Land Transport Authority / 以下、LTA)から獲得した。
同事業は、トムソン・イーストコースト線全32駅のうち、27駅でエキナカ店舗開発に取り組むもの。海外鉄道路線における複数駅のエキナカ開発は、日本の鉄道会社としては、初めての試みとなる。
JR東日本は、日本で培った「エキナカ」開発・運営の経験を、SMRT社・NTUC社がシンガポールで育んだ鉄道・商業事業の知見と融合。トムソン・イーストコースト線用者の利便性の向上ならびに沿線の発展に貢献していきたいとしている。
なお今後、JR東日本とSMRT社、NTUC社の3社は、各社子会社を通じて現地に合弁会社を設立し、運営にあたる。
[トムソン・イーストコースト線駅構内商業権の概要]
– 期間:2019年末(予定)から16年間
– 区画:27駅 53区画
– 面積:約 5,000 ㎡(総貸付可能⾯積)
– 店舗開業時期:2019 年末に予定されている鉄道開業に合わせ順次開業
– 事業者:Stellar Singapore-Japan Retail Pte. Ltd(※)
※Stellar Singapore-Japan Retail Pte. Ltd は JR東日本東南アジア事業開発(JR東日本子会社)、SMRTExperience Pte. Ltd.(SMRT社子会社)、Alphaplus Investments Pte. Ltd. (NTUC 者子会社) の3社によるエキナカ運営会社(2019年10月設立予定) 。
[トムソン・イーストコースト線の概要]
– 路線概要:
シンガポール北部郊外のWoodlands(ウッドランズ)から中央部の住宅地を抜け、南部の中心市街地を経由して東部のSungei Bedok(スンゲイベドック)に至る通勤路線。将来的には、北は国境を越えてマレーシアに接続、東はチャンギ空港に接続する構想も有る。
– 線路長:全長43km
– 駅数:32駅(全て地下駅)
– 事業者:SMRT Trains
– 開業時期:2019年末(予定)から2024年6月(予定)にかけて5期に分けて順次開業。