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2024年10月17日【MaaS】

JR東日本他、東京・高輪地区で乗合型移動サービスを実証

坂上 賢治

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東日本旅客鉄道(JR東日本)、KDDI、国際ハイヤーの3社は、2024年の11月1日から2025年の9月30日までの期間、東京都港区高輪地区で「オンデマンドモビリティの実証運行」を実施する。

 

なお上記の〝オンデマンドモビリティ〟とは、特定のエリアで利用者が希望する時間に乗りたいスポットから降りたいスポットまでをAIが経路上の最短ルートを設定して移動する乗合サービスを指す。今回は、乗合移動サービスのmobiが運行業務を担う。

 

 

より具体的な実施の背景は、2025年3月に〝街開き〟を予定しているTAKANAWA GATEWAY CITYと、周辺地域の商店・観光地との回遊性向上を図ることで高輪地区の魅力向上を目指す。併せて同実証運行では、既存交通網でカバーしきれていないエリアを対象に既存交通網との相互補完を目的とする交通手段を提供する。

 

ちなみにこの実証運行は、国土交通省(委託先:パシフィックコンサルタンツ)の公募「令和6年度 共創・MaaS実証プロジェクト(共創モデル実証運行事業)」に対して東京都港区と連携して提案した事案が2024年5月9日に採択されたことで実施に移されるもの。その実証の詳細等の概要は以下の通り。

 

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▶1.実証運行の概要

 

(1)コンセプト
 「みんなで創る、地域の新しい交通サービス」 (愛称:みなのり)

 

 

(2)課題と目的
・対象の高輪地区は、充実した南北方向の移動手段に対して東西方向の移動手段と移動効率が低いという交通課題がある。また道幅が狭く、急勾配な坂道が多いという地形特性による課題もある。

 

・そこで当該の実証運行は、AIにより道路状況やエリアの移動リクエストを考慮して設定した最短ルートを、複数の利用者が相乗りしながら目的地まで移動するAIオンデマンドシステムを利用する。

 

 

・運行にあたっては、JR東日本が培ってきた地域とのネットワークとKDDIのデジタル力を連携。更に国際ハイヤーが利用者の快適な移動をサポートする。

 

(3)オンデマンドモビリティの特徴
・上記を前提に、2021年11月12日から12月6日の期間で実施した「グリーンスローモビリティ」の実証実験ではデマンド交通の必要性を改めて確認した。

 

・そもそもオンデマンドモビリティは「利便性の高さ」、「コンパクトさ」といった特徴があるため、対象エリアが抱える交通課題の解決に繫がる。

 

・そこで今回は、港区が抱える交通不便地域や公共施設、病院、商業施設などに乗降スポットを設定し、ワンボックス型車両によりエリア内で小回りの利いた運行を実現させていく。

 

(4)運行日程(認可申請中)
・2024年11月1日(金)~2025年9月30日(火) 各日 8:00~20:00(予定)

 

(5)運行エリア
・エリア:港区高輪地区総合支所を中心とする半径約2km圏内
・乗降スポット:約20スポット(詳細は当該URLを確認されたい)

 

(6)主な乗降スポット

 

 

(7)乗車予約方法
・専用のスマホアプリより下記ステップにて予約できる(但し事前に会員登録が必要)。
・利用できるOSは、iOS 12以上、Android 8以上。
・スマートフォンアプリ各ストア(App Store・Google Play)で、「mobi」を検索するか、QRコードを読み取りダウンロードする。

 

 

【電話での予約】
加えて電話での予約も用意した。電話予約の利用の際は、mobiカスタマーサポートへ問合せされたい。TEL:050-2018-0107/営業時間 9:00~19:00(年中無休)
(オペレーターに「東京都港区」とエリア名を最初に伝える)

 

(8)利用料金
・未就学児は2人目まで無料、3人目以降は小学生料金適用となる。大人は中学生以上を指す。
・上記家族会員の料金は1人分の料金で、人数が増えるごとに同額を加算する。
・家族会員の追加は、月額定額本会員1人につき、6人まで登録可能。
・料金表の掲示した港区コミュニティバス乗車券は、港区内居住の高齢者、障がい者、妊産婦等の申込資格を持つ区民に発行される乗車券を指す。

 

 

(9)支払方法
 ・事前のクレカ決済、ワンタイム乗車での交通系ICカードを利用。現金での支払いはできない。

 

 

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▶2.実施体制

 

<以下参考>
<「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちづくり概要>
「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、品川開発プロジェクトの一環として、江戸の玄関口としての役割を担った歴史的背景や、国内初の鉄道が走った地としてのイノベーションの記憶を継承。

 

開発コンセプトに「Global Gateway」を掲げて、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」として新たなビジネス・文化が生まれ続けるまちづくりに取り組む。

 

まずは皮切りに、THE LINKPILLAR 1および高輪ゲートウェイ駅周辺エリアを2024年度末(2025年3月下旬)に開業。その他の棟(THE LINKPILLAR 2・文化創造棟(仮称)・TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE)と各棟周辺エリアを2025年度中に開業する。

 

更に品川駅周辺エリア(品川駅北口駅改良・品川駅街区)の街づくりと一体となった価値向上に向けて品川開発プロジェクト(公式Webサイト)を推進していく構え。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。