東日本旅客鉄道(JR東日本)、KDDI、国際ハイヤーの3社は、2024年の11月1日から2025年の9月30日までの期間、東京都港区高輪地区で「オンデマンドモビリティの実証運行」を実施する。
なお上記の〝オンデマンドモビリティ〟とは、特定のエリアで利用者が希望する時間に乗りたいスポットから降りたいスポットまでをAIが経路上の最短ルートを設定して移動する乗合サービスを指す。今回は、乗合移動サービスのmobiが運行業務を担う。
より具体的な実施の背景は、2025年3月に〝街開き〟を予定しているTAKANAWA GATEWAY CITYと、周辺地域の商店・観光地との回遊性向上を図ることで高輪地区の魅力向上を目指す。併せて同実証運行では、既存交通網でカバーしきれていないエリアを対象に既存交通網との相互補完を目的とする交通手段を提供する。
ちなみにこの実証運行は、国土交通省(委託先:パシフィックコンサルタンツ)の公募「令和6年度 共創・MaaS実証プロジェクト(共創モデル実証運行事業)」に対して東京都港区と連携して提案した事案が2024年5月9日に採択されたことで実施に移されるもの。その実証の詳細等の概要は以下の通り。
——————————————
▶1.実証運行の概要
(1)コンセプト
「みんなで創る、地域の新しい交通サービス」 (愛称:みなのり)
(2)課題と目的
・対象の高輪地区は、充実した南北方向の移動手段に対して東西方向の移動手段と移動効率が低いという交通課題がある。また道幅が狭く、急勾配な坂道が多いという地形特性による課題もある。
・そこで当該の実証運行は、AIにより道路状況やエリアの移動リクエストを考慮して設定した最短ルートを、複数の利用者が相乗りしながら目的地まで移動するAIオンデマンドシステムを利用する。
・運行にあたっては、JR東日本が培ってきた地域とのネットワークとKDDIのデジタル力を連携。更に国際ハイヤーが利用者の快適な移動をサポートする。
(3)オンデマンドモビリティの特徴
・上記を前提に、2021年11月12日から12月6日の期間で実施した「グリーンスローモビリティ」の実証実験ではデマンド交通の必要性を改めて確認した。
・そもそもオンデマンドモビリティは「利便性の高さ」、「コンパクトさ」といった特徴があるため、対象エリアが抱える交通課題の解決に繫がる。
・そこで今回は、港区が抱える交通不便地域や公共施設、病院、商業施設などに乗降スポットを設定し、ワンボックス型車両によりエリア内で小回りの利いた運行を実現させていく。
(4)運行日程(認可申請中)
・2024年11月1日(金)~2025年9月30日(火) 各日 8:00~20:00(予定)
(5)運行エリア
・エリア:港区高輪地区総合支所を中心とする半径約2km圏内
・乗降スポット:約20スポット(詳細は当該URLを確認されたい)
(6)主な乗降スポット
(7)乗車予約方法
・専用のスマホアプリより下記ステップにて予約できる(但し事前に会員登録が必要)。
・利用できるOSは、iOS 12以上、Android 8以上。
・スマートフォンアプリ各ストア(App Store・Google Play)で、「mobi」を検索するか、QRコードを読み取りダウンロードする。
【電話での予約】
加えて電話での予約も用意した。電話予約の利用の際は、mobiカスタマーサポートへ問合せされたい。TEL:050-2018-0107/営業時間 9:00~19:00(年中無休)
(オペレーターに「東京都港区」とエリア名を最初に伝える)
(8)利用料金
・未就学児は2人目まで無料、3人目以降は小学生料金適用となる。大人は中学生以上を指す。
・上記家族会員の料金は1人分の料金で、人数が増えるごとに同額を加算する。
・家族会員の追加は、月額定額本会員1人につき、6人まで登録可能。
・料金表の掲示した港区コミュニティバス乗車券は、港区内居住の高齢者、障がい者、妊産婦等の申込資格を持つ区民に発行される乗車券を指す。
(9)支払方法
・事前のクレカ決済、ワンタイム乗車での交通系ICカードを利用。現金での支払いはできない。
——————————————
▶2.実施体制
<以下参考>
<「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちづくり概要>
「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、品川開発プロジェクトの一環として、江戸の玄関口としての役割を担った歴史的背景や、国内初の鉄道が走った地としてのイノベーションの記憶を継承。
開発コンセプトに「Global Gateway」を掲げて、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」として新たなビジネス・文化が生まれ続けるまちづくりに取り組む。
まずは皮切りに、THE LINKPILLAR 1および高輪ゲートウェイ駅周辺エリアを2024年度末(2025年3月下旬)に開業。その他の棟(THE LINKPILLAR 2・文化創造棟(仮称)・TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE)と各棟周辺エリアを2025年度中に開業する。
更に品川駅周辺エリア(品川駅北口駅改良・品川駅街区)の街づくりと一体となった価値向上に向けて品川開発プロジェクト(公式Webサイト)を推進していく構え。