東日本旅客鉄道(JR東日本)は2月9日、日産自動車連結子会社のフォーアールエナジー(以下、4R社)が提供する電気自動車(EV)再生バッテリー(※)を、踏切の電源に試行導入すると発表した。
環境問題への取り組みの一環として、踏切保安装置の電源にEV再生バッテリーを活用することを検討するJR東日本は、そのフィールド試験を今年1月から実施。試験終了後の4月以降に、常磐線および水戸線の10ヶ所程度の踏切に、再生バッテリーを試行導入する。
JR東日本が管理する全ての踏切保安装置(踏切制御を行う装置)には、メンテナンス作業時等の一時的な停電時にも動作継続ができるよう、バッテリーが設置されている。
JR東日本は今回、このバッテリーに4R社のEV再生バッテリーを活用し、効果見極め後に、さらなる導入拡大を目指す。また、踏切保安装置での検討を踏まえ、無線通信装置や駅設備など、踏切以外の電源装置への活用を検討する。
JR東日本と4Rは、資源循環型社会の形成を目指し、再生バッテリーの鉄道設備へのさらなる活用に向けて、今後も連携してくとしている。
※日産自動車リーフに搭載されていたバッテリーを再製品化したもの。なお、安全認証「UL1974」(米国の第三者安全科学機関ULが定めている電池の転用に関する評価規格)を取得(世界初)している。
[期待される効果]
・従来のバッテリーに比べて短時間で満充電ができるため、長期間の使用が可能に。またコストダウンにもつながる。
・事前の劣化把握が可能となるため、より適正な取替計画が立てられる。
・製造時に発生する温暖化ガスの低減や、コバルト、ニッケルといったバッテリー資源の効率的な使用を促進。
<通常時および停電時における踏切の電源イメージ>
■フォーアールエナジー:https://www.4r-energy.com/