ヤマハ発動機は10月11日、千葉大学予防医学センター(近藤克則教授)と低速モビリティによる移動が健康に寄与するか検証する目的で、共同研究に関する契約を締結したと発表した。
全国に点在する交通空白地帯における交通課題は、高齢者のクオリティオブライフの低下やそれに伴う社会保障費の増加を招くなど顕著な社会課題となっている。今回の共同研究では、その社会課題へのソリューション提供の一環として、電動カート導入により高齢者の外出、および社会参画を促し、これらの促進による介護予防、健康増進効果の関係を明確化することを目標としている。
千葉大学・近藤教授は高齢者の社会参加が健康寿命の延伸につながることを検証し、高齢化社会だからこそ、活き活きした高齢世代が社会参加するような活力ある社会の構築の必要性を長年提唱している。また、国土交通省では、「グリーンスローモビリティ」を高齢者の足の確保や観光客の周遊に資する「新たなモビリティ」として定義し、同モビリティの活用検討に向けた実証調査支援事業を実施している。
今回の共同研究では、同社のグリーンスローモビリティを試験的に導入することで、高齢者の外出、社会参加をどの程度促すか、その結果、健康や介護予防に関する各種指標がどう改善したかを検証する。なお、実証実験は、大阪府河内長野市(南花台地区)、千葉県松戸市(河原塚地区と小金原地区)の協力で、2021年10月から12月まで実施予定となっている。