合成燃料は、再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素を合成することで生成される液体の脱炭素燃料。既存の貯蔵タンクやパイプラインを活用でき、飛行機・船舶・自動車の内燃機関にそのまま利用できるため、世界的な需要増が見込まれている。
今回、出資先となったHIF Global社は2022年よりチリ・マガジャネス州でHaru Oni合成燃料製造実証プラントを操業( 弊誌・関連記事リンク )。現在世界4か国( 米国、豪州、チリ、ウルグアイ )で、大規模にe-メタノールおよび合成燃料製造事業の開発を推進しており、将来的には世界でe-メタノール換算で年間400万トンの生産を目指している。
出光興産はHIF Global社の米・豪拠点からe-メタノールないしは合成燃料を日本国内へ持ち込むことを計画しており、HIF Global社への出資を通して、この取り組みにより合成燃料のサプライチェーン構築を目指している。
対してJOGMECは今出資のみならず、今後も日本国内の水素エネルギー等のサプライチェーン構築を加速化させ、国内の脱炭素化とエネルギートランジションを推し進める先駆的事業を支援していくと述べている。
出資先会社の概要
名称:HIF Global LLC(“Highly Innovative Fuel”の理念から命名)
設立年月日:2021年12月28日
本社所在地:アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン
President & CEO:Cesar Norton
採択の内容
採択年月日:2024年7月10日
出資見込額:約36百万ドル
採択理由:本事業については、(1)技術、(2)経済性、(3)経営能力、(4)政策重要性等の観点から構成されるJOGMECの採択審査基準を満たすと判断されることから、海外事業法人買収出資対象事業として採択することとした。なお、本件の採択に際しては、経済産業大臣と協議し、同意を得ている。