2019年を最後に「ジャパンモビリティショー」へとタイトルを刷新
一般社団法人 日本自動車工業会( 自工会/所在地:東京都港区、会長:豊田章男 )は11月6日、先の10月26日から11月5日まで( 一般公開は10月28日から )、東京ビッグサイト( 江東区・有明 )で開催した「JAPAN MOBILITY SHOW 2023( ジャパンモビリティショー2023/JMS2023 )」の閉幕を告げ、通算の来場者総数が1,112,000人であったと発表した。 ( 坂上 賢治 )
そんな同イベントは、1954( 昭和29 )年4月20日〜4月29日に「第1回全日本自動車ショウ( 開催地:日比谷公園/来場者547,000人 )」として初開幕。1964年の第11回目以降からタイトルを改めて「東京モーターショー」となり、4年前の東京モーターショー2019( 入場者130,900人 )を最後に「ジャパンモビリティショー」へとタイトルを刷新した。
今回、コロナ禍の開催中止を経て、装いも新たに再スタートを切ったジャパンモビリティショー2023は、自動車産業の枠を超えて、他産業やスタートアップの計475企業・団体が参加。開催前の段階で100万人の来場者数を目標にしていた。
2週間足らずとなる会期を一気に駆け抜けて、新たな時代の始まりを示唆
10月25日の報道発表日を経た10月26日の「オープニングスイッチオンセレモニー 」から開幕したJMS2023は、28日土曜の一般公開日から実質的なスタートを切ったが、それ以前の報道発表日も含めると、およそ2週間足らずとなる会期を一気に駆け抜けた。
それは、まさしく移動体・移動体験のショーを目指す第一歩となり、完成車メーカー各社は、道路上を走るスタンダードな最新モデルだけでなく、空飛ぶクルマや一人乗りモビリティ、小分け配達モビリティ、厨房配膳・災害現場で活躍するモビリティ、非常電源モビリティなどにより新たな時代の始まりを示唆した。
ここで一旦、過去を翻ってみると、およそ100年の月日を掛けて自らが自動車を運転して移動するスタイルが育まれてきたが、それは今や手垢の付いた日常の愉しみとなり、これからは少し長い時間を掛けて、今はまだ希薄なリアリティー感を育みつつも、いずれ、ひとつの世代が終わる。
そもそも、もう新車を世界初披露するだけでは、多くの人達は満足しないし、今日、世界で地域経済の発達深度や、モビリティの利用環境が大きく異なるなか、卓越した一分野の特定技術を提案したからといって、一夜にして脱炭素社会が実現する訳ではない。
新たな時代を担う新たな世代が、次世代モビリティに何を望むのか
では新たな時代を担う新たな世代が、これからはモビリティと呼ばれるようになる今の自動車に何を望むのか。それはまだ不透明なところもあるが「運転しなくても乗りたくなるクルマづくり」も、そうしたなかでの重要テーマのひとつだ。それは車室内で、どのように、どれだけ愉しめるかであるという。
実際、短距離を移動するだけなら自転車や特定小型原付もあるし、より長い距離であればタクシーだって、列車だってある。例えば航空機を利用したその先の選択肢は、今回、自工会が打ち出しているように〝マルチパスウェイ〟の世の中になりつつある。
いずれにしても既に時代は動き出している。かつては自由に移動できること自体が夢の実現だった。しかし技術的にも、社会的にも、移動体の世界のブレイクスルーが差し迫るなか、旧来の夢の続きは新たな夢へとバトンが引き継がれていく。
今は世界がどう変わっていくのか。そんな新たな夢の続きを〝オールジャパン〟で示すことが求められる時代になったのだ。
このショーを介して日本が世界へ発信する新たなスタートであって欲しい
自工会の豊田章男会長は、最終日に行われたモビリティショーのイベントで、「モビリティって自分の未来にどういうふうに影響してくるんだろうとか。
そんなことをちょっとお考え頂ける2週間であったなら、主催者と致しまして、本当にこのモビリティショーは大成功だったというふうに思っております。
このジャパンモビリティショーを介して日本が、世界へ発信する新たなスタートであって欲しいと思っています」と述べた。
単なる移動手段ではなく、ヒトを、モノを、ココロを動かすものでありたい
また自工会では、「ジャパンモビリティショー2023は、〝乗りたい未来を、探しに行こう!〟をテーマに、自動車業界の枠を超えて、他産業やスタートアップ、計475企業・団体にご参加頂きました。
ジャパンモビリティショーにご来場の皆さま、出展者の皆さまをはじめ、関わっていただいた全ての皆さまに、心より御礼申し上げます。
この国の自動車産業は550万人、モビリティ産業では850万人が働いています。これからのモビリティは〝単なる移動手段〟だけではなく、〝ヒトを動かす、モノを動かす、ココロを動かす〟ものであり続けたいと思います。
様々な産業に関わる新しい仲間と一緒に、日本を動かす原動力となる所存です」と話している。
・Tokyo Future Tour(主催者プログラム):約50万人来場
・Startup Future Factory/Pitch Contest & Award(スタートアップ企業116社参加)結果
- グランプリ:NearMe(未来の感動部門)1000万円獲得
- 準グランプリ:Global Mobility Service(未来の暮らし部門)100万円獲得
Zip Infrastructure(未来の社会基盤部門)100万円獲得 - ブース出展やビジネスマッチングを経た商談の継続数430件以上
・Japan Future Session:参加者/視聴者人数42,000人以上
・子供向け商業体験型施設「Out of KidZania in Japan Mobility Show 2023」:参加者数13,000人以上
・公式アプリ「推しモビ図鑑」:16万ダウンロード