JFEエンジニアリングは12月24日、東京センチュリー、北京和栄工程技術有限公司と、2021年より中国国内においてオイルスラッジの処理事業に進出することを目的として、合弁会社「北京和栄富盛環保科技有限公司」の設立に合意したことを発表した。
オイルスラッジとは、石油タンク等の底部に滞積する油分等の沈殿物。中国では従来、排出事業者による貯蔵・埋立・産業廃棄物として焼却処理されてきたが、2014年の中国環境保護法改正以降、環境に配慮した処理方法のニーズが高まっている。
合弁会社は中国顧客からオイルスラッジ処理事業を受託し、今後の実証事業の中で技術検証及び事業性の確認を行う。
JFEエンジニアリングは、事業化の最終判断後、事業を同社初の「海外運営型事業」として推進し、中国国内において本事業を3年間で10カ所程度展開していくことを目標としている。さらに、将来的には環境規制強化が見込まれる東南アジアへの展開を目指す。
合弁会社は、実証事業において、石油会社製油所等のオイルスラッジ排出事業者敷地内に処理設備を設置し、一事業所当たり年間数万t排出されるオイルスラッジを、オイル・水分・固形物に分離し、オイルの再利用率を高めることで資源循環を実現する。
処理設備によりオイルスラッジを80%減容化することを目標とし、焼却処理した際に比べてCO2排出量を削減し、コストを安価に抑えることも可能となる。
また、今回事業パートナーとなる北京和栄工程技術有限公司は、中国の大手エンジニアリング会社であり、製油所内での工事実績を豊富に有し、JFEエンジニアリングの廃棄物処理事業ノウハウとのコラボレーションにより、設備の操業、メンテナンスまで一貫した経営を行い、他社にない強みを発揮するという。
■合弁会社概要
– 設立:2021年2月(登記予定)
– 社名:北京和栄富盛環保科技有限公司
– 董事長:周渊博
– 資本金:3,000万元
– 出資比率:北京和栄工程技術有限公司 66%、JFEエンジニアリング(株) 17%、東京センチュリー(株) 17%
– 主な事業内容:製油所・油井から排出されるオイルスラッジの処理事業
■北京和栄 会社概要
– 開設日:2016年1月6日
– 社名:北京和栄工程技術有限公司
– 董事長:周渊博
– 資本金:3,000万元
– 出資者:江蘇焱鑫科技集団有限公司 100%
– 主な事業内容:石油プラントを中心とした建設工事請負