TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは12月18日、FIA世界ラリー選手権(WRC)でさらなる成功を収めるため、2021年シーズンに向けて参戦準備を進めていることを発表した。
2020年にチームに加入し7度目のドライバーズタイトルを獲得したセバスチャン・オジエは、キャリアを1シーズン延長し、2020年にドライバー選手権2位を得たエルフィン・エバンス、成長著しい若手のカッレ・ロバンペラと共に、2021年シーズンを戦うという。
そして、この3人のドライバー陣に加え、新たにヤリ-マティ・ラトバラがチーム代表に就任した。WRC史上最も経験豊かなドライバーであるラトバラは、2021年1月からトヨタ自動車のモータースポーツアドバイザーに就任するトミ・マキネンの後を継いで、チーム代表を務める。ラトバラは、ドライバーとしての視点も持ちながら、プロジェクトディレクターの春名雄一郎、スポーティングディレクターのカイ・リンドストローム、テクニカルディレクターのトム・フォウラーらと共にチームを率いていく。
WRCで18回の優勝経験を持つラトバラは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally TeamのWRC参戦初年度となる2017年からサクセスストーリーの一部を担ってきた。2017年開幕戦ラリー・モンテカルロでのデビュー数週間前からヤリスWRCの開発において重要な役割を果たし、ラリー・モンテカルロでは自らの運転でヤリスWRCを総合2位に導いた。
そして、続く第2戦ラリー・スウェーデンでは、チームとヤリスWRCに最初の勝利をもたらした。さらに、2018年の最終戦ラリー・オーストラリアでも優勝を果たし、トヨタのマニュファクチャラーズタイトル獲得に大きく貢献した。
ラトバラは、ラリー界で最も人気のあるドライバーのひとりであるだけでなく、ラリーへの強い情熱を持っていることでも知られ、自分でメンテナンスしたトヨタのヒストリックラリーカーでラリーに出場している。
また、彼は2020年に世界中でTOYOTA GAZOO Racingのアンバサダーを務めているが、それはチーム代表に就任しても引き継がれることになる。
多くの知識を持つラトバラは、トップラリードライバーがクルマやチームに何を求めているのかを理解している。つい最近までWRCの最前線で戦ってきた彼の豊富な経験は、チームの若手であるロバンペラと、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムのドライバーである勝田貴元にとっても、大きな助けとなるだろう。
TGRチームオーナー豊田章男氏は、マトバラのマネージャーとしての力は未知数であるが、絶対に強いチームを作ってくれると信じていると語っている。