国連の第194回自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)の結果報告
スイス・ジュネーブで、先の2024年11月12日から15日に掛けて行われた国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP.29/自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場)の第194回本会議で、日本発の安全技術である「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」が国連基準化され、今後の世界スタンダードとして認められた。
上記の国連基準は、高齢ドライバー等による事故の削減に向けアクセルとブレーキの踏み間違いや前方の障害物を検知して衝突を防止する性能要件を規定した国連基準として日本からの提案を介して議論が開始。日本の技術や評価方法をベースに議論されて今回、WP.29にて合意に達した。
今回定義された国際基準の概要は以下の通り
主な要件
(1)急発進抑制に関する要件
障害物の手前1.0m及び1.5mに停止状態でアクセルをフルストロークまで踏み込んだ場合に、次のいずれかであること。
- 障害物に衝突しないこと。
- 障害物との衝突時の速度が8km/hを超えず、障害物が無い状態に比べて30%以上速度が低下していること。
(2)ドライバーへの警報に関する要件
- 視覚警報が必須 等
(3)機能の解除条件に関する要件
- 解除中のドライバーへの表示
- 機能の復帰条件 等
対象車両
自動変速機(AT)を備えた乗用車
(乗車定員9人以下)
また併せて翌2025年の役員選挙が行われ、猶野 喬(なおの たかし)物流・自動車局車両基準・国際課安全基準室長が副議長として再選された。これは2023年(令和5年)から3期連続での就任となった。
更にWP.29の中で地球温暖化対策等の環境対策を担当する会議体(GRPE)の副議長として、新国哲也(にいくに てつや)交通安全環境研究所 環境研究部長が務めることも合意された。これにより本会議と6つの分科会の計7つの会議体のうち、3つの会議体で主要ポストに就くことになった。