日本ペイント・インダストリアルコーティングス(本社:東京都品川区 代表取締役社長:塩谷健)は9月13日、栃木県・日光市で行われる自動運転実証実験に、自動運転用特殊塗料「ターゲットラインペイント」を提供する。
この実証実験は、今年9月21日から2023年10月4日までの期間、日光国立公園内に位置する赤沼車庫~千手ヶ浜間の約9.3キロの実証コースを自動運転バスが走行するもの。
同実証は、栃木県が2025年度に於いて、自動運転システム導入した県内路線バスの運行導入を目指す〝 栃木県ABCプロジェクト 〟の一環。
この「栃木県ABCプロジェクト」は、自動運転システムを導入した路線バスの本格運行を目指す挑戦を、栃木県がプロジェクトとして行っていることが背景にある。
当該プロジェクトでは、県内の路線に於いて2025年度の自動運転バスの本格運行を目指し、2020年度~2023年度の期間を設けて、県内10箇所で自動運転バスの実証実験を進めている。
これを踏まえ9月21日からの実証実験では、日本ペイント・インダストリアルコーティングスが提供するターゲットラインペイントを活用する。このペイントは自動運転用センサーが認識できる特殊塗料として同社が開発した。
具体的には、自動運転車の走行中に車載センサーが路面に塗装されたターゲットラインペイントを認識・追従することで安定した自動走行が行える仕組みだ。
このターゲットラインペイントを活用する利点は、今実証実験の環境下のように樹木等が生い茂り、衛星測位システム(GNSS)が入りにくい場所であっても、自己位置を見失わず安定した走行を実現することができることにある。
つまり走行経路に塗装するだけで、自動運転用のインフラ整備が可能となるのが大きなポイントだ。
それゆえ導入コストやメンテナンスコストの削減が見込める他、目視で路面色と同化しやすい色の設計が可能であるので、人間の目視では道路の路面表示と誤認しづらく、安全面や景観への配慮にもなる。
日本ペイントグループでは、「今後も様々な場所でターゲットラインペイントの展開拡大を目指し、塗料技術を生かした自動運転の普及へ貢献して参ります」と話している。
実証実験概要
走行コース:日光国立公園内の赤沼車庫と千手ヶ浜を結ぶ約9.3キロの区間
実施期間:2023年9月21日~2023年10月4日
(9月23日(土)と9月28日(木)は運休)
運行時間:9時25分~16時20分
運賃:大人(中学生以上)500円/小児(6~12歳)250円
自動運転レベル:レベル2
車両概要
車両名:BYD J6
乗客定員:15名(着座のみ)
走行速度:最高40km/h