特許庁は、建築物や内装、画像の意匠を新たに保護対象とした改正・意匠法(令和2年4月1日から)に基づき、国内で初めて意匠登録された建築物、内装の意匠を、11月2日に公表した。
今回意匠登録された建築物は、ファーストリテイリングの「商業用建築物」と、東日本旅客鉄道(JR東日本)の「駅舎」。また内装意匠としては、カルチュア・コンビニエンス・クラブの「書店の内装」と、くら寿司の「回転寿司店の内装」が登録された。
昨今、企業が店舗の外観や内装に特徴的な工夫を凝らしてブランド価値を創出し、サービスの提供や製品の販売を行う事例が増加。また、オフィス家具・関連機器を扱う企業が、自社の製品を用いつつ、特徴的なオフィスデザインを設計し、顧客に提供する事例も生じていると云う。
それらを背景に、令和元年に意匠法が抜本的に改正され、令和2年4月から、建築物の外観デザインに加え、机やいす等の複数の物品等の組み合せや配置、壁や床等の装飾により構成される内装デザインも、全体として統一的な美感を想起させるような場合には、一つの意匠として意匠権で保護することができるようになった。
特許庁は、今後、画像の意匠が意匠登録された際には、改めて案内するとしている。
[意匠登録された建築物・内装の意匠] (各登録意匠の図面は一部抜粋)
■建築物の意匠
①意匠登録第1671773号「商業用建築物」(ファーストリテイリング)
②意匠登録第1671774号「駅舎」(東日本旅客鉄道)
■内装の意匠
①意匠登録第1671152号「書店の内装」(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)
②意匠登録第1671153号「回転寿司店の内装」(くら寿司)
■(特許庁)令和元年意匠法改正特設サイト:https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/seidogaiyo/isyou_kaisei_2019.html