日本国特許庁(JPO)は1月4日、ブラジル産業財産庁(INPI)との間で実施している特許審査ハイウェイ(PPH/※1)について、これまで一出願人辺り1カ月1件に制限されていた申請が、1月1日から週1件に緩和されたと発表した。
南米最大の経済規模及び人口を誇り、多くの日本企業が進出するブラジルのINPIでの特許審査には、最終的な結果が出るまでに平均で約6年を要する。
このような状況を踏まえ、日本国特許庁(JPO)は、INPIとの間で、2017年4月1日にPPHの試行を開始。PPHを用いることで、特許審査結果が出るまでの平均期間が約6か月に大幅短縮されるため、ブラジルにおける早期権利化に大きな効果があると云う。
しかし、ブラジルへのPPH申請には、これまで一出願人辺り1カ月1件という制限があったため、ユーザーから件数制限緩和への要望も。そのため、JPOからもINPIに対し緩和を要請してきたが、今年1月1日以降、ブラジルとのPPHにおける件数制限が以下の通り緩和されることとなった。
JPOは、今回の件数制限の緩和により、ブラジルへの事業展開において必要な権利を、より多く迅速に取得できるようになるとしている。
※1:第一庁(出願人が最先に特許出願をした庁)で特許可能と判断された出願について、出願人の申請により、第一庁とPPHを実施している第二庁において簡易な手続で早期審査が受けられるようにする枠組み。
[件数制限緩和の内容] (2021年1月1日以降)
① 一出願人あたりのPPH申請可能件数の緩和
一出願人あたり可能なブラジルへのPPH申請の件数が、週1件に緩和される(従前は1か月1件)。
② 申請件数上限の緩和
ブラジルへのPPH申請(日本発以外を含む)の上限が、年間600件と1.5倍になります(従前は400件)。
■(特許庁)日ブラジル特許審査ハイウェイ試行プログラムについて:https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/pph/japan_brazil_highway.html
■ブラジル産業財産庁の特許審査ハイウェイのページ(ポルトガル語):https://www.gov.br/inpi/pt-br/servicos/patentes/pph/pph