日本航空(以下、JAL)は10月21日、大阪府の「空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験」に採択(*1)されたことを受け、ヘリコプターを活用した環境調査を11月から実施すると発表した。
JALは、ヘリコプターに近い機動性を活かし、エアタクシーサービスや救急救命、災害対応等、幅広い分野での活躍が期待される「空飛ぶクルマ(eVTOL:electric vertical take-off and landing)」を用いたエアタクシー事業の2025年度の開始を目指しており、同年に開催される大阪・関西万博では、会場の夢洲周辺の遊覧飛行や、会場と関西国際空港などを結ぶエアタクシーサービスを計画している。
今回JALは、大阪府の「空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験」への採択を受け、大阪で11月から来年2月迄、ヘリコプターによる環境調査を、以下の内容で実施。得られた結果を、大阪ラウンドテーブルとも共有し、大阪が目指す空飛ぶクルマの飛行の実現を図る。
[調査概要]
– 実施時期:2021年11月~2022年2月
<実施内容>
1.実運用を想定した検証(2021年11月実施予定)
大阪・関西万博会場である夢洲上空を実際にヘリコプターで飛行し、飛行環境や地上設備に関する制約などを調査。多様な機体が共存できる運航環境構築に繋げていく。
2.社会受容性の検証(2022年2月実施予定)
JALと共に空飛ぶクルマの社会実装に向けた大阪ラウンドテーブル(*2)に参画している「ボロコプター社(Volocopter/*3)」と協力し、大阪上空でのヘリコプターによる飛行風景と、空飛ぶクルマの機内風景を組み合わせたバーチャルフライト体験を、全国の自治体関係者等を対象に実施。空飛ぶクルマを身近に感じてもらうと共に、体験前後に行うアンケートで期待度を調査、大阪エリアでの空飛ぶクルマ実現に活かす。
JALは、空のプロとして、これまでの運航ノウハウを生かした安全な総合エアモビリティ・オペレーションを通じて、地域ニーズに応ずる次世代の輸送・移動インフラを提供することで、災害対応や医療分野等の課題を解決、豊かでサステナブルな社会の創造を目指すとしている。
*1:2021年8月27日令和3年度新エネルギー産業(電池関連)事業補助金 「空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験」(参照:https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42150)。
*2:大阪府が行う、空飛ぶクルマのある社会を見据えた協業・共創のプラットフォーム「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」(参照:https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=40300)。
*3:「JAL、エアモビリティ分野に関する業務提携をVolocopter GmbHと締結(2020年9月29日付プレスリリース 第20046号)(参照:https://press.jal.co.jp/ja/release/202009/005782.html)。
■(JAL)AIR MOBILITY:http://www.jal.com/ja/air_mobility/
■2025年日本国際博覧会協会:https://www.expo2025.or.jp/