日本航空(以下「JAL」)とメディパルホールディングス(以下「メディパル」)は11月30日、ドローンを活用した持続可能な物流網の構築に向け、共同検討を開始したことを発表した。
現在の日本では、少子高齢化や過疎化による医療・交通アクセス困難者の増加、深刻化する自然災害、新たな感染症の流行などの社会的なリスクを抱えており、国民の生命を守る医薬品などを、平時・有事を問わず安定的に流通できる体制の構築が求められている。また、地球温暖化による気候変動が全世界的な課題となる中、企業が行う事業活動においてSDGsの目標を達成していくことが重要になっている。
両社は共同検討により、地域のニーズに寄り添い、環境性能に優れた電動ドローンを活用した、災害などの有事にも対応可能かつ持続可能な物流網を構築し、全ての国民が高品質な医療を享受できる豊かでサステナブルな社会を共に目指すとしている。
■共同検討の取り組み内容
・医薬品のドローン輸送および関連輸送に関する市場調査、事業性検証
・各種実証実験における連携
・ドローンに対する社会受容性の向上施策の検討
・ドローン活用による災害時やSDGs達成に向けた医薬品供給体制の構築の検討
また、10月27日と28日に、両社は兵庫県洲本市でドローンによる医薬品の拠点間輸送をユースケースとした実証実験を実施し、成功している。
この実証実験は、NEDOが主催し、JALが参画するKDDIのスマートドローンプラットフォームを活用したDRESSプロジェクトの一環として行われたもの。JALは、航空運送事業における安全運航のノウハウを活かしたドローンの運航および安全管理を担い、メディパルの連結対象の完全子会社であるメディセオのロジスティクス本部が薬剤模擬品を提供し、淡路FLCが自治体や医療機関へのリレーション構築を行なった。
■実証実験の概要
発着点:㈱メディセオ淡路FLC駐車場 ⇔ 県立淡路医療センター屋上庭園
ルート:洲本川上空(洲本橋含む7つの橋梁上を飛行。 往復約5km)
機体:PD6B-TypeC(プロドローン社製)(W)1874x(D)2060x(H)474㎜ 最大ペイロード30kg
輸送物:薬剤模擬品(アンプル) 疑似品(最大搭載重量5kg)
結果:ルートを2.5往復する通常飛行に加え、イレギュラーを想定した複数のシミュレーションを完遂