日本航空(JAL)と住友商事は、米国テキサス州のBell(Bell Textron)と、エアモビリティ分野における新規事業の創出、次世代インフラ事業の開発などを目的とし、日本およびアジアにおける市場調査や事業参画などの共同研究推進に関する業務提携を締結した。
この提携により、3社は、日本を中心にアジア域内で、Bellが開発するeVTOL機材を用いたサービス提供の検討を開始する。
「空飛ぶクルマ」とも呼ばれるeVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing/電動垂直離着陸機)は、電動モーターで複数の回転翼を回転させ、垂直離着陸できる小型航空機で、ドローンと電気自動車の技術を融合した次世代の都市交通の輸送手段として注目されている。
Bellは、1935年に設立され、80年以上前から垂直上昇機(VTOL)を生産するなど、世界に広く認知されたネームブランドを持ち、業界トップグループに位置づけられている企業。また、ヘリコプターの商用認証を世界で最初に取得した実績も有し、さらには、eVTOLの製品開発力に強みを持ち、エアモビリティ分野にもいち早く参入している。
JALは、今回の業務提携を通じて、これまでの空の移動に関わる安心・安全運航のノウハウを活用し、空飛ぶクルマなど次世代エアモビリティの運航プラットフォームの構築を目指す。
また、次世代エアモビリティサービスの提供を通して、災害対応や医療などの分野で地域の課題を解決し、SDGs達成に向けた取り組みを推進するとしている。
一方の住友商事は、全世界に展開する多角的な事業活動を通じ、革新的な移動サービスの実現に向けた新たな技術発明や産業発展および次世代モビリティ社会の構築に深く貢献していきたいとしている。
[業務提携の概要]
・eVTOLを用いた移動サービスなどを実現するための日本およびアジアにおける市場調査。
・eVTOLを用いた移動サービスなどを実現するためのインフラ構築に関する検討。
・eVTOLの運航に対する社会全体の理解促進や、安全確保および騒音への対策など、「空飛ぶクルマ」 の普及にとって解決すべき課題への取り組み。
・事業化の推進に向けた賛同企業の参加・協力の依頼。
[Bell会社概要]
– 会社名:Bell Helicopter Textron
– 所在地:米国テキサス州フォートワース
– 事業概要:ヘリコプター、ティルトローター機の製造・開発
– 設立年:1935年
■Bell:http://bellflight.com/