ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン10の第9戦、第10戦ベルリンE-Prixに於いて、ジャガーTCSレーシングのニック・キャシディ選手は、第9戦で優勝、第10戦で2位、そして2度のファステストラップを記録し、今季7度目となる表彰台を獲得してドライバーズ・ランキングも首位に返り咲いた。またミッチ・エバンス選手も、4位と6位で両日入賞した。
第9戦のスタートは、ニック・キャシディ選手が9番手、ミッチ・エバンス選手が10番手から追撃。ミッチ・エバンス選手は積極的に前に出るレース展開をみせ、19周目には一時トップに立つ。その後もチームと協力して効率よく先頭集団で走行し、最終的に4位でフィニッシュした。
ニック・キャシディ選手はスタートでいくつか順位を落とし、セーフティカー導入後の17周目には集団の最後尾まで後退。しかし、 レース後半では利用可能なエネルギーを最大限に発揮できるようチームと共に効率的な戦略をたて、終盤に差し掛かると、エネルギーのアドバンテージを発揮して先頭に立ち、後続に4.6秒という圧倒的な差をつけてレースに勝利した。
第10戦、準決勝で4番グリッドを獲得したミッチ・エバンス選手は、決勝で「I-TYPE 6」のエネルギーマネジメントを的確に行い、41周のレースをアクシデントなく戦い抜き、最終的に6位となった。
ニック・キャシディ選手はクオリファイセッション、デュエルで決勝進出を決めて2番グリッドを獲得、フロントローに並ぶ。そしてスタートでトップに立ち、3周目にアタックモードを作動させるまではトップをキープした。その後はチームと連携し、「I-TYPE 6」を効率よく走らせ、最終ラップでオリバー・ローランド選手(ニッサン・フォーミュラEチーム)をオーバーテイクし2位でフィニッシュした。
これによりジャガーTCSレーシングは、チーム・ランキングで237ポイントで、2位に54ポイント差をつけてリード。ドライバーズ・ランキングでは、ニック・キャシディ選手が首位でリードを広げ、ミッチ・エバンス選手は5位をキープしている。
この結果にJLRモータースポーツ担当マネージング・ディレクター兼ジャガーTCSレーシング・チーム・プリンシパルを務めるジェームズ・バークレー氏は、「この週末は、私たちにとって長く、激しく、戦略的な戦いになるだろうと予想していました。
チームは素晴らしいレース戦略を実行し、両ドライバーとも好調な走りを見せてくれました。ダブルポイントフィニッシュとファステストラップ、表彰台の獲得という快挙を遂げてくれました。今週末の結果とそこで得た学びは、次の上海での2レースに向けて大きなモチベーションになります」と述べた。
またジャガーTCSレーシングドライバー、ミッチ・エバンス(#9)選手は、「土曜日はできる限り最善を尽くしてレースを展開することができました。4位は悪くない結果ですが、正直なところ、表彰台を逃してしまったことは悔しくて仕方ありません。
日曜日もトリッキーなレースでした。スタートはうまくいきましたし、昨日と同じく集団の中でもマシンには強さがあり、エネルギー的にも優位な位置にいました。
でも残念なことにいくつかの要因が重なって、2回目のアタックモードがうまくいかず表彰台のチャンスを逃してしまいました。これからチームとしてデータを分析し、上海への対策を立てたいと思います」と話している。
加えてジャガーTCSレーシングドライバー、ニック・キャシディ選手(#37)は、「土曜日はこのような結果になるとは本当に予想していませんでした。最高の気分です。
レース前半で集団の最後尾にまで後退してしまい、今日のレースは終わったと思ったのですが、前方を走る多くの選手よりもずっとエネルギーがあったため、それを最大限に活用して優勝することができました。
これでドライバーズ・ランキングの首位に戻ることができました。 日曜日も波乱のレースとなりましたが、僕個人としてはフォーミュラE史上最も成功した週末となりました。このポジティブな勢いを次の上海につなげたいです」と語った。
なお次回は2024年5月25日、26日に開催されるABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン10 第11戦、第12戦、ダブルヘッダー開催となる上海E-Prixとなる。