NEXT MOBILITY

MENU

2024年5月13日【イベント】

ジャガーTCSレーシング、独で9度目の表彰台

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン10の第9戦、第10戦ベルリンE-Prixに於いて、ジャガーTCSレーシングのニック・キャシディ選手は、第9戦で優勝、第10戦で2位、そして2度のファステストラップを記録し、今季7度目となる表彰台を獲得してドライバーズ・ランキングも首位に返り咲いた。またミッチ・エバンス選手も、4位と6位で両日入賞した。

 

 

第9戦のスタートは、ニック・キャシディ選手が9番手、ミッチ・エバンス選手が10番手から追撃。ミッチ・エバンス選手は積極的に前に出るレース展開をみせ、19周目には一時トップに立つ。その後もチームと協力して効率よく先頭集団で走行し、最終的に4位でフィニッシュした。

 

ニック・キャシディ選手はスタートでいくつか順位を落とし、セーフティカー導入後の17周目には集団の最後尾まで後退。しかし、 レース後半では利用可能なエネルギーを最大限に発揮できるようチームと共に効率的な戦略をたて、終盤に差し掛かると、エネルギーのアドバンテージを発揮して先頭に立ち、後続に4.6秒という圧倒的な差をつけてレースに勝利した。

 

 

第10戦、準決勝で4番グリッドを獲得したミッチ・エバンス選手は、決勝で「I-TYPE 6」のエネルギーマネジメントを的確に行い、41周のレースをアクシデントなく戦い抜き、最終的に6位となった。

 

ニック・キャシディ選手はクオリファイセッション、デュエルで決勝進出を決めて2番グリッドを獲得、フロントローに並ぶ。そしてスタートでトップに立ち、3周目にアタックモードを作動させるまではトップをキープした。その後はチームと連携し、「I-TYPE 6」を効率よく走らせ、最終ラップでオリバー・ローランド選手(ニッサン・フォーミュラEチーム)をオーバーテイクし2位でフィニッシュした。

 

これによりジャガーTCSレーシングは、チーム・ランキングで237ポイントで、2位に54ポイント差をつけてリード。ドライバーズ・ランキングでは、ニック・キャシディ選手が首位でリードを広げ、ミッチ・エバンス選手は5位をキープしている。

 

この結果にJLRモータースポーツ担当マネージング・ディレクター兼ジャガーTCSレーシング・チーム・プリンシパルを務めるジェームズ・バークレー氏は、「この週末は、私たちにとって長く、激しく、戦略的な戦いになるだろうと予想していました。

 

 

チームは素晴らしいレース戦略を実行し、両ドライバーとも好調な走りを見せてくれました。ダブルポイントフィニッシュとファステストラップ、表彰台の獲得という快挙を遂げてくれました。今週末の結果とそこで得た学びは、次の上海での2レースに向けて大きなモチベーションになります」と述べた。

 

またジャガーTCSレーシングドライバー、ミッチ・エバンス(#9)選手は、「土曜日はできる限り最善を尽くしてレースを展開することができました。4位は悪くない結果ですが、正直なところ、表彰台を逃してしまったことは悔しくて仕方ありません。

 

日曜日もトリッキーなレースでした。スタートはうまくいきましたし、昨日と同じく集団の中でもマシンには強さがあり、エネルギー的にも優位な位置にいました。

 

でも残念なことにいくつかの要因が重なって、2回目のアタックモードがうまくいかず表彰台のチャンスを逃してしまいました。これからチームとしてデータを分析し、上海への対策を立てたいと思います」と話している。

 

 

加えてジャガーTCSレーシングドライバー、ニック・キャシディ選手(#37)は、「土曜日はこのような結果になるとは本当に予想していませんでした。最高の気分です。

 

レース前半で集団の最後尾にまで後退してしまい、今日のレースは終わったと思ったのですが、前方を走る多くの選手よりもずっとエネルギーがあったため、それを最大限に活用して優勝することができました。

 

これでドライバーズ・ランキングの首位に戻ることができました。 日曜日も波乱のレースとなりましたが、僕個人としてはフォーミュラE史上最も成功した週末となりました。このポジティブな勢いを次の上海につなげたいです」と語った。

 

なお次回は2024年5月25日、26日に開催されるABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン10 第11戦、第12戦、ダブルヘッダー開催となる上海E-Prixとなる。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。