フォーミュラE新シーズンの開幕に先立ち、本拠をオックスフォードシャーに
ジャガー・ランドローバー(JLR)ジャパンは12月6日、ジャガーTCSレーシングが2024年シーズンのABB FIAフォーミュラE世界選手権に向けて準備を進めるなか、オックスフォードシャー州キドリントンの新Fortescue WAE施設内の最先端イノベーションセンターに本拠を移転・開設(実施日は英時間の11月30日付け)したことを明らかにした。
ジャガーTCSレーシングは、来シーズンもカスタマーチームとして参戦するエンビジョン・レーシングと合わせて、今後も4台のレースカーに搭載するJAGUAR製パワートレインの設計、開発、製造を続ける。
新施設にはHV Lab(高電圧研究所)を設置し、チームはパワートレイン・ハードウェアの2つの中核をなすコンポーネントであるモーター・ジェネレーター・ユニット(MGU)とインバーターを組み立てる。
拠点には沢山の専用スペースが設置され、その中には、JAGUARのフォーミュラEレースカーのメンテナンスや修理を行うための専用作業ベイを備えたワークショップ、メインケース、ボックス、サスペンション、冷却システムを組み立てる施設も設けられた。
加えてドライバー・イン・ザ・ループ・シミュレーターも設置。ドライバーのミッチ・エバンストニック・キャシディ選手は、2024年シーズン参戦にあたり、多様な都市コースのシミュレーションテストを本格的に行える。
この移転により、2024年のABB FIAフォーミュラE世界選手権の開催期間中、ジャガーTCSレーシングのリモートオペレーションルームはキドリントンが拠点となり、エンジニアはこの場所から、東京やシリーズの象徴となっているモナコ、E-Prixが開催されるサーキットの現場で働くスタッフに、重要なセットアップやサポート戦略に関する情報を提供することなるという。
なお今季のフォーミュラEは、究極の環境下で最大限のパフォーマンスを発揮するため、次世代EVのハードウェア並びにソフトウェアの実践的なテストベッドであり続ける。
ジャガーTCSレーシングは、この新拠点で世界有数のパートナーと協力しながら、フォーミュラE世界選手権での勝利を目指して革新的な最先端テクノロジーを開発していく構えだ。
移転にあたって開催された記念イベントで、JLRモータースポーツ担当マネージング・ディレクター兼ジャガーTCSレーシングチーム・プリンシパルのジェームズ・バークレー氏は、「本拠地を移転したことは、ジャガーTCSレーシングにとって重要な節目となる出来事であり、それを完璧なタイミングで実現することができました。2024年シーズンでは、私たちはポイントおよび表彰台の獲得、レースでの勝利を目指していきます。
またテクニカルパートナーであるFortescue WAEと共に、この新しい施設でレーストラック用に開発する革新的な技術は、その知識や経験を市販車へ移行する(Race to Road)という哲学を継続するものであり、将来の市販車をサポートするものです」と述べた。
一方でフォーテスキューWAEのCEO(最高経営責任者)のジュディス・ジャドソン氏は、「私たちは新しいシーズンに参戦することを今から楽しみにしています。2024年ABB FIAフォーミュラE世界選手権は、2024年1月13日にメキシコシティで開幕しますが、私たちは、最先端の設備が整ったキドリントンの完全に新しい専用拠点で、チーム一丸となってレースカーの開発に注力していますていきます」とのコメントを残している。