ジャガー・レーシングは6月25日、メキシコのプエブラで行われたABB FIA フォーミュラE世界選手権 シーズン7の第8戦、第9戦に「I-TYPE 5」で出走し、ミッチ・エバンスが2日連続でポイント獲得を果たしたと発表した。
6月19日に開催された第8戦で、ミッチ・エバンスは12番グリッドからスタートし、アタックモードとエネルギー・マネージメントを戦略的に駆使してオーバーテイクを見せ順調に順位を上げていたが、後半にセーフティカーが入り、ライバルとの差が縮まってしまった。さらにそれによって2回目のアタックモードが使えないという難しい状況になり、最終的に8位フィニッシュとなった。
18番グリッドからスタートしたサム・バードは、順位を9つ追い上げたが、アタックモードのアクティベーションゾーンでアレックス・リン(マヒンドラ・レーシング)とクラッシュし、リタイアを余儀なくされた。
翌日の第9戦では、ミッチ・エバンスは18番グリッドからの出走。ストフェル・バンドーン(メルセデス-EQフォーミュラEチーム)とセバスチャン・ブエミ(日産e.dams)を追い抜き、最終的に9位でフィニッシュした。
困難なコンディションで迎えたクオリファイ・セッションの後、15番グリッドから出走したサム・バードは、レース中盤でルーカス・ディ・グラッシ(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)とクラッシュし、その後25分にわたる厳しいレースを乗り切り、12位で完走した。
ドライバーズ・ランキングで、ミッチ・エバンスは現在首位のエドアルド・モルタラ(ROKIT VENTURI RACING)から12ポイント差の3位、チーム・ランキングでも、ジャガー・レーシングが3位に浮上し、現在首位のメルセデス-EQフォーミュラEチームに4ポイント、2位のDSテチータに1ポイント差に迫っている。
ジャガー・レーシングの次戦は、2021年7月3日と4日にニューヨークの市街地で開催されるABB FIAフォーミュラE世界選手権第シーズン7 第10戦、第11戦ニューヨーク・グランプリとなる。
ドライバー、サム・バードのコメント
「プエブラ・グランプリの2連戦は、苦しいレースでした。ペースも良く、ポイントも獲得できる位置につけていたものの、残念ながら第8戦はリタイアとなってしまいました。1回の勝利でチャンピオンシップをリードすることができますが、大切なのは一貫してレースでいい結果を出すことです。次戦は私が大好きなニューヨークでのレースです。ポイントを獲得できるようがんばります。」
ドライバー、ミッチ・エバンスのコメント
「第9戦のレースは本当に大変でした。18番グリッドからのスタートだったので、トップ10に入ることを目標としていましたが、まさにそれを実行し、ポイントを獲得することができました。1周目に4台を追い抜いて良いスタートが切れましたが、滑りやすい路面ではリアタイヤの管理に苦労しました。後方グリッドからのスタートは毎回本当に大変でエネルギーを費やしますが、それはドライバーズ・ランキングで上位にいるが故のことなので仕方ありません。過酷なレースでしたが、すっきりとした気持ちでメキシコを去ることができ、次のニューヨークでのレースへ向けた準備ができています。」
ジャガー・レーシング・チームのディレクターであるジェームズ・バークレーのコメント
「2戦連続でミッチ・エバンスがポイントを獲得し、チーム・ランキングで首位とのギャップを埋めることができよかったのですが、レースで『I-TYPE 5』のポテンシャルの高さを発揮できなかったのは悔しさが残ります。第9戦では、ミッチ・エバンスもサム・バードもよく頑張ってくれました。2人のチャンピオンシップ獲得の可能性はまだ残っています。フォーミュラEは常に予測不可能です。私たちが経験したように、後方からのスタートでも追い上げて上位に躍り出るということもあるのです。」