日本自動車連盟(JAF)は8月31日、ガソリン小売価格の高騰を受けて、「暫定税率(ガソリン税/揮発油税および地方揮発油税の総称)」の撤廃を筆頭にガソリン税に係る問題について是正するよう訴える声明を改めて発した。
さて上記で今回JAFが示した暫定税率は、道路整備の財源不足に対応するべく政府が1974年から上乗せした〝臨時的な暫定税率〟のことを指している。
なおそもそもの本則の税率はガソリン1リットルあたり28.7円で、これに暫定税率として25.1円が加算され53.8円のガソリン税となっている。
またガソリン価格にはガソリン税に加えて、石油税と消費税も加算されており、石油税2.8円と消費税率の10%が加わる。つまりガソリンの販売価格は、ガソリン自体の価格+ガソリン税+石油税+消費税の内訳となっている。
但し、実は去る2010年4月に暫定税率にあたる部分は廃止されている。しかし代替税として同額の〝特例税率(臨時的な暫定税率)〟が創設され、現在も徴収が続いている状態だ。しかも同税収(特例税率)の使用目的は目的を持った道路財源ではなく、一般財源に充てられる。
結果、これを踏まえた現行のガソリン価格は、ガソリン自体の価格+ガソリン税+石油税+消費税となる訳だが、昨今の世界的な原油高騰により、ガソリン価格は過去最高値を更新し続けている。
そこで、これを受けた政府はトリガー条項(2010年度の税制改正で導入)として、レギュラーガソリンの全国平均価格が3カ月連続で160円/Lを超えた場合に暫定税率分25.1円の課税を停止することを決め、現在に至っている。
一方でJAFは、ガソリン1リットル当りの小売価格が全国平均で185.6円(税込/8月26日)を付けたことを機に、そもそもの小売価格自体に「当分の間」として設けられた特例税率(暫定税率)が上乗せされていることを指摘。
またガソリン税自体に、消費税が更に課税(Tax on Tax/タックス・オン・タックス)されるため、その結果、最終売価が約1.6倍にもなっている事実に言及。以下の事項を挙げて改めて強い要望を示した。
JAFによる要望内容は以下の通り
1.ガソリン税等に上乗せされ続けている「当分の間税率(暫定税率)」を廃止すべき。
2.ガソリン税に消費税が課税されるタックス・オン・タックスという不可解な仕組みを解消すべき。
以上、自動車ユーザーが到底理解・納得できない仕組みを一刻も早く解消するべき。