伊藤忠商事は5月31日、伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、ファミリーマートの3社が、世界最大級の再生可能資源由来の燃料(以下「リニューアブル燃料」)メーカーであるNeste OYJ(以下「NESTE社」)社グループと協働で、リニューアブルディーゼル(以下「RD」)の日本初となるコンビニ配送車両への利用を実現したと発表した。
この取組を契機に、伊藤忠グループでは、陸上輸送分野でのリニューアブル燃料ビジネスに本格参入し、サーキュラーエコノミー及び脱炭素社会の実現を目指すとしている。
伊藤忠商事はこの取組にてNESTE社との間でRDの日本国内向け輸入契約を締結、伊藤忠エネクスは国内でのRD輸送及び給油に係る一連のサプライチェーンを構築、ファミリーマートは、6月初旬以降に、ファミリーマートの横浜市内の配送センターで、配送車両の一部において、軽油に代わる燃料としてRDを100%使用する。陸上輸送分野でのGHG(温室効果ガス)排出削減を可能にするRDを燃料とした配送車両の走行としては、国内コンビニ業界で初めての運用になる。
NESTE社は、食品競合のない廃食油や動物油等を原料とした、RDや持続可能な石油代替航空燃料(以下「SAF」)などを製造している世界最大級のリニューアブル燃料メーカーで、伊藤忠商事とは過去数年の協働を経て、2020年10月のSAFの日本国内向け供給を実現した。さらに、循環型低炭素社会の実現に向けた取り組みを強化するため、今回RDの分野での拡大に至ったという。
NESTE社のRDは、ライフサイクルアセスメントベースでのGHG排出量で石油由来軽油比約90%削減を実現する。RDは主に輸送用トラック・バス等で使用され、いわゆる「ドロップイン」燃料として、既存の車両や給油関連施設をそのまま利用開始することが可能で、すでに欧米を中心に、広く流通実績がある。脱炭素施策に係る導入コストを最小限に抑え、GHG排出削減にも大きく貢献できる次世代リニューアブル燃料として、今後の陸上輸送分野での更なる利用拡大が期待されている。