伊藤忠商事は、フランスのDawex Systems(Dawex社)が第三者割当増資により発行する株式の一部を引き受けることに合意した。
Dawex社が運営するデータ取引のプラットフォームの国内展開支援や、グループを含むパートナー企業とのビッグデータを活用した新たな事業創出を目指す。
近年、IoTデータ、マーケティングデータ、産業データ等、あらゆるデータ取引の市場は大きく成長しており、その市場規模は、2022年には世界全体で5,000億ドル、2025年には7,080億ドルにまで達すると云う(*1)。また、データ取引による収入で企業の収益は20%増加、同時に企業価値が25%向上するとの試算もある(*2)。
一方、日本国内でデータを提供した企業は2017年で約11万社と、米国(約30万社)やEU(約28万社)を大きく下回り、伸び率も低い状況だと云う(*3)。
Dawex社は、2017年1月に企業間でデータ取引をできるマーケットプレイスを開発しサービスをスタート。
翌年には、企業同士のクローズドな環境でのデータ取引を可能とするマーケットプレイスのOEM提供も開始し、現在では金融・保険、建設、エネルギー、物流・交通、小売、情報通信、観光・ホテル等、20以上の業界で7,000社以上の企業・組織が利用する世界最大級のデータ取引のマーケットプレイスとなっている。
伊藤忠商事は、Dawex社への出資に加え、伊藤忠グループのネットワークを活かして、同社の国内展開を支援。また、小売や、情報通信、金融・保険等、当社で取り扱うあらゆるビッグデータを活用し、利用するパートナー企業と共に新たな事業創出に取り組んでいくとしている。
伊藤忠商事は、中期経営計画「Brand-new Deal 2020」で、商いの次世代化として、生活消費分野のバリューチェーンの価値向上や、新技術を活用したビジネスモデルの進化を推進。
データ関連では、昨年9月にビッグデータ活用のためのソフトウェアやサービスを提供するウイングアーク1st社に出資。また、同12月にはデータマーケティング事業を展開するフリークアウト・ホールディングスとの資本業務提携を実施。今回のDawex社への投資および協業を通じて、「商いの次世代化」を更に加速させていくとしている。
*1:Transparency Market Reserch “Data Monetization Market”
*2:McKinsey, “Fueling growth through data monetization”BCG, “How IoT Data Ecosystems Will Transform B2B Competition”
*3:米国調査会社IDCの調査に基づく