公道実証走行を前にテストコースを走るGIGA FUEL CELL
いすゞ自動車と本田技研工業は12月22日、両社の共同研究による燃料電池(FC)大型トラック「GIGA FUEL CELL」の公道での実証走行を開始した。
より具体的には、いすゞ・ホンダそれぞれの物流グループ会社のいすゞロジスティクスとホンダロジスティクスの協力を得て、公道での実証走行を行うことで水素燃料活用の可能性と燃料電池車両の実用性を検証する。
検証の背景には、高効率輸送(長距離走行・高積載量・短時間での燃料供給)が求められる大型トラックのカーボンニュートラル化に於いて、両社はCO2排出ゼロの水素を燃料とするFC技術が有効であると考えている。
そこで両社は、2020年1月にFC大型トラックの共同研究契約を締結。FCの大型トラックへの適合性の検証や、車両制御など基礎技術基盤の構築を進め、2027年をめどに共同研究で得られた技術や経験・知見を最大限に生かした量産車両の市場導入を予定している。
今後、2024年9月までの実証実験を通じて、2027年の市場導入へ向けたデータの取得、知見の蓄積、技術的課題の抽出などを進める。なお、今実証走行では、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」のいすゞグループのブースで展示されたものと同型の試作車両を使用する。
実施概要
期間:2023年12月~2024年9月(予定)
場所:関東近郊(栃木・埼玉・東京・神奈川の1都3県を予定)
事業者:いすゞロジスティクス、ホンダロジスティクス
使用台数:1台
主な検証内容
<実用面>
・荷役作業や公道走行による車両実用性の検証
・水素充填を含めた車両運行管理
<車両開発>
・FC大型トラックの市場適合性
GIGA FUEL CELL車両概要は以下の通り
車両
ベース車型:CYJ77C-WX 低床4軸8×4
全長/全幅/全高:11,980mm /2,490mm / 3,770mm
車両総重量:25t
燃料電池スタック
種類:固体高分子形(Honda燃料電池スタック)
出力:103kW×4
高圧水素システム
充填圧力:70MPa
搭載水素量:56kg
電動機(モーター)
種類:交流同期電動機
出力:定格320kW
高電圧バッテリー
種類:リチウムイオンバッテリー
航続距離:800km以上(いすゞ評価モード)
その他装備
外部給電ポート
:2ポート(CHAdeMOコネクター)
:最大電力供給量 530kWh
実施会社の概要
いすゞロジスティクス株式会社
本社:神奈川県横浜市西区高島一丁目2番5号 横濱ゲートタワー6階
事業内容:物流統括/管理
株式会社ホンダロジスティクス
本社:東京都千代田区一番町6番地 一番町SQUARE 4階
事業内容:陸上・海上輸送(完成車・部品)、梱包、保管、部品納入代行、