いすゞ自動車とユーグレナは、3月31日、石油由来の軽油を100%代替可能な次世代バイオディーゼル燃料が完成したと発表した。
ユーグレナは、今後の本格的な次世代バイオディーゼル燃料供給に先立ち、いすゞへの供給を3月中に完了。いすゞは、4月1日から神奈川にある藤沢工場・湘南台駅間を運行するシャトルバスでの使用を開始する。
いすゞとユーグレナは、含有率100%でも車両のエンジンに負担をかけずに使用できる次世代バイオディーゼル燃料の実用化に向けた共同研究契約を、2014年に締結し、「DeuSEL(デューゼル/※1) プロジェクト」として取り組んできた(※2)。
そして今回、約6年を経て、次世代バイオディーゼル燃料が完成した。
なお、いすゞでは、2018年にユーグレナが研究開発用に試作した次世代バイオディーゼル燃料にて性能試験を実施(※3)しており、次世代バイオディーゼル燃料が石油由来の軽油と同等の性能であることを確認していると云う。
※1)DeuSEL(デューゼル):DIESEL(ディーゼル)とeuglena(ユーグレナ)を組み合わせた造語で、ユーグレナ(和名:ミドリムシ)からつくったバイオディーゼル燃料を表す。
※2:DeuSELプロジェクトに関する2014年のプレスリリース<https://www.isuzu.co.jp/press/2014/6_25eco.html>。
※3:ユーグレナ社が試作した次世代バイオディーゼル燃料のサンプルを用いて、いすゞが全負荷性能試験とWHTC排出ガス試験を実施。
いすゞは、中期経営計画において地球環境問題を重要な経営課題と位置付けており、今年3月には「いすゞ環境長期ビジョン2050」を策定。気候変動対策として温室効果ガスの排出量の最小化を進め、脱炭素社会を目指した活動を推進している。
そして、その実現にはエネルギー自体の脱炭素化は欠かせない要素であるとの考えのもと、次世代バイオディーゼル燃料の普及に向けた取り組みを続けるとしている。
一方、ユーグレナは、次世代バイオディーゼル燃料の研究開発と生産を進めるべく、日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント(以下、バイオ燃料製造実証プラント)を2018年10月末に竣工。
また同時に、いすゞ、横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、ANAホールディングス、ひろしま自動車産学官連携推進会議をサポーターとして、「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す「GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)」を宣言し、バイオ燃料製造実証プラントの本格稼働とバイオジェット・ディーゼル燃料の供給を目指してきた。
今回、次世代バイオディーゼル燃料が完成したことにより、「GREEN OIL JAPAN」宣言に賛同する企業に向けて、近日中に次世代バイオディーゼル燃料の供給を本格的に実施するとしている。
いすゞとユーグレナは今後も、次世代バイオディーゼル燃料のさらなる普及に向け、引き続き連携し、取り組んでいくとしている。
■DeuSELプロジェクト:http://deusel.jp