いすゞ自動車は2月5日、米国の総合エンジンメーカー大手のカミンズ社(Cummins/インディアナ州コロンバス)と、中型ディーゼル・パワートレイン事業に於ける協業と、先進先行技術分野での共同研究を行っていくことについて合意したと発表した。
今合意は、パワートレイン事業全域で包括的なパートナーシップを構築することを目指しており、2019年5月に締結した「Isuzu Cummins Powertrain Partnership(いすゞ カミンズ パワートレイン パートナーシップ/以下「ICPP」)契約」に基づくもの。
これによりカミンズ社は、いすゞへ自社の国際製品のひとつであるB6.7型ディーゼルエンジン(6気筒/排気量6.7L)を提供。この供給を受けるいすゞは、同ユニットを中型トラック用の動力源として活用していく構え。
また以降は共同で、いすゞの生産車両にパワーユニットが搭載されることに伴う設計変更などの調整だけなく、日本国内に於ける排出ガス規制への対応にも取り組んでいくという。
カミンズ社製エンジンを搭載するいすゞ車両は、今年の北米市場向けを皮切りに、その後は日本国内、さらには東南アジアやその他地域へ順次グローバル展開していく。なお日本国内で組み立てられる車両に搭載するエンジンは、いすゞ栃木工場で生産される予定としている。
これに併せて両社は、今後のパワートレイン開発に関する先進先行技術について、共同研究していくための「先進先行技術契約(Advanced Technology Collaboration Agreement)」を締結。そこから生まれた技術力やノウハウを共有することで、地球環境に優しい次世代ディーゼルエンジンの開発を進める。
なおいすゞでは、近距離輸送を担う小型車両を出発点にBEVの車両開発を進め、一方で大型車両については本田技研工業などからの協力を得て水素を動力源とするFCV車両の開発も進めていく。こうした活動を踏まえて、カミンズ社ともカーボンニュートラルの実現を目指し、多様な次世代パワートレイン技術に関わる連携を深めていきたい意向だ。
一方、カミンズ社は、ディーゼルエンジン事業に於いて、北米・大型トラック用エンジンでの市場占有率が4割に迫る。また乗用ピックアップトラック用エンジンを開発する他、大型発電装置や船舶エンジン事業も進めているため企業として環境負荷対応は至上命題だ。
そこで去る2019年には、カナダの水素燃料電池プロバイダーであるHydrogenics Corporationの8割の株式を取得。これを梃子に鉄道車両向け水素燃料電池ユニットの開発も手掛けるなど、事業改革を加速させている。
今回の合意に際して、カミンズ社のトム・
対して、いすゞ自動車の片山正則社長は、「カミンズ社とのゆるぎない信頼関係のもとに進めてきた協業成果の第一弾を本日公表できることをうれしく思います。いすゞはカミンズ社と、今後もカーボンニュートラルの実現に向けた先進先行技術の研究を進めると共に、内燃機関の更なるクリーン化に取り組み、世界のあらゆるお客様に最適な車両とパワートレインの提供を目指してまいります」と話している。
最後にいすゞとカミンズ社は、環境性能、品質、効率、信頼性を高めた商用車向け次世代パワーソース実現に向け、技術革新に取り組むと共に、グローバルな事業成長に向け、更なる協業領域の拡大を検討していくと結んでいる。
■カミンズ(日本語/外部サイトが開きます):https://www.cummins.jp/
■Cummins(英語/外部サイトが開きます):https://www.cummins.com/