ヒョンデ IONIQ 5N TA Spec（アイオニック5Nタイムアタックスペック）が2月15日、茨城県・筑波サーキットで開催された「シバタイヤ presents Attack Tsukuba 2025（アタック筑波2025）」に谷口信輝選手のドライブで参加しEV最速のラップタイムを刻んだ。

車両は、先の通りIONIQ 5 Nのモータースポーツ仕様のIONIQ 5 N TA Specで、2024年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムで電動改造車部門で優勝・新記録を達成したもの。

筑波への参加にあたり仕様は共通のもとしており、ソフトウェアチューニングによって最高出力687PSに、リアモーターの出力を37ps（27kW）向上させている。

追加の改良ポイントでは、N Active Sound＋（120dB以上出せる改良スピーカー）、新たなショックアブソーバー、リム径18インチのヨコハマADVAN 005スリックタイヤ、独自のハイダウンフォース空力パッケージが特別に設計されている。更にRecaro製の Pro Racer SPA Hansシート、Sabelt製の6点式Hansセーフティハーネス、Pikes Peak International Hillclimb（PPIHC）仕様のロールケージ、EV用消火システムなどによって安全性も高めた。

当日、谷口信輝選手がドライブするIONIQ 5 N TA Specは、57.446秒のラップタイムを記録して筑波サーキットにおける最速EV記録を樹立した。このタイムは、競合車よりも約２秒速いもので、モーター、バッテリー、制御電子機器など、主要部品のほとんどが量産モデルと共通の仕様で達成された。

IONIQ 5N TA Specのステアリングを握った谷口信輝選手は、「他社EVで筑波サーキットのレコードを出したことがありますが、今回のIONIQ 5 N TA Specに乗らせてもらって、これまでの記録を大きく塗り替えることができて非常に光栄です。

軽量化されているとはいえ、2トンある車なので絶対的に重たい車です。それでも非常によく止まり、よく曲がります。パワーがあるのに制御が素晴らしく、曲がりや立ち上がりも安定しています。非常に不安感なく攻めれる車でした」とタイムアタック時の印象を話している。

これを受けてNブランドで常務を務めるパク・ジューン氏は、「この快挙は、ヒョンデの先進的なEV技術とコミットメントを示すものです。量産車両の部品を主に使用したIONIQ 5 N TA Specの新記録は、ヒョンデの技術力を証明する重要なマイルストーンであり、Attack筑波2025のようなイベントを通じて、高性能EVを世界の自動車文化に深く浸透させたいというHyundai Nの想いを表しています」と述べた。

更にHyundai Mobility Japanで代表取締役社長を務める七五三木敏幸氏は、「Attack 筑波 2025でのこの記録達成を、私たちは大変誇りに思っています。これは、ヒョンデがEV技術の進化に取り組み、卓越したパフォーマンスを提供することに対する強い姿勢を示すものです。量産部品を主体としたIONIQ 5 N TA Specによる勝利は、私たちにとって大きな節目となる成果です。この結果は、当社の技術力を証明するとともに、日本市場での存在感をさらに確かなものにしました」と語った。

なお併せてヒョンデは、ドライバー土屋圭市氏が監修しオートバックスセブンとのコラボレーションにより開発されたショーカー「IONIQ 5 N DK Edition」を展示した。「DK Edition」という名称は土屋氏の愛称「ドリキン（Drift King）」に由来している。またヒョンデ「N」では、DK Editionで採用した「Nパフォーマンスパーツ」パッケージを市販化し、IONIQ 5 Nオーナーに提供したい意向を示していた。