東芝エネルギーシステムズは、福島県浪江町で2月8日に開催された「福島県水素利用シンポジウム2018 in なみえ」に出展し、同社の水素エネルギーに関する取り組みや製品を紹介した。
同社は福島県で、浪江町を実証エリアとして、1万kW級の水素製造装置を備えた水素エネルギーシステムを構築する「再生可能エネルギー利用水素プロジェクト(※)」に参画している。
同プロジェクトは、再生可能エネルギーの導入拡大を見据えた電力系統の需給バランス調整(デマンドレスポンス)のための水素活用事業モデルおよび、水素販売事業モデルを確立することで、新たな付加価値を有する大規模水素エネルギーシステムの開発・実用化を目指すものだと云う。
シンポジウムでは、プロジェクトの紹介をはじめ、同社の自立型水素エネルギー供給システム「H2One」や純水素燃料電池システム「H2Rex」の特長や導入事例について紹介された。
福島県では、県全体を新たなエネルギー社会のモデル創出拠点とする「福島新エネ社会構想」(2016年9月策定)における大きな柱として、「水素社会実現のためのモデル構築」が、掲げられ、県内外の企業や研究機関と連携したさまざまな取り組みが進められている。
このシンポジウムでは、水素エネルギーの普及の後押しを目的に、福島県内のエネルギーの利活用に関する取り組みとともに、水素エネルギーの有用性や使いやすさ、安全確保策などが、展示や講演を通して紹介された。
東芝エネルギーシステムズは、水素を「つくる」、「ためる」、そして「かしこくつかう」ための水素関連製品および技術により、今後も福島県における福島新エネ社会構想をはじめとする環境に優しいクリーンな水素社会の実現に向けた取り組みに貢献していきたいとしている。
※:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」
[主な展示内容]
1.再生可能エネルギー利用水素プロジェクト
このプロジェクトは、福島県浪江町を実証エリアとして1万kW級の水素製造装置を備えた水素エネルギーシステムを構築するもので、2020年度中に実証試験が行われる。
再生可能エネルギーの導入拡大を見据えた電力系統の需給バランス調整(デマンドレスポンス)のための水素活用事業モデルおよび水素販売事業モデルを確立させることで、新たな付加価値を有する大規模水素エネルギーシステムの開発・実用化を目指す。
2.自立型水素エネルギー供給システム「H2One」
自立型水素エネルギー供給システム「H2One」は、再生可能エネルギーから水素を「つくる」、その水素を「ためる」、そして燃料電池で「つかう」ところまでワンストップで実現するシステム。
平常時には、施設の電気、温水、水素の各使用量と貯蓄量を監視し、最適制御運転を行うことで電気料金やCO2排出量を低減。また、災害などの非常時でも、自立して電力・温水を供給する。
更に、このシステムは輸送可能なため、被災地などに運搬することも可能。
3.純水素燃料電池システム「H2Rex」
純水素燃料電池システム「H2Rex」は、水素を直接用いて発電するため、CO2を発生しない電力を供給することが可能な発電システム。
水素を直接用いて発電するため、CO2を発生させずに発電できるほか、数分という短時間で発電を開始することが可能。
東芝エネルギーシステムズ、水素エネルギー事業 HP :