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2024年8月27日【イベント】

国際交通安全学会、創立50周年記念式典の開催へ

坂上 賢治

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公益財団法人 国際交通安全学会( IATSS / International Association of Traffic and Safety Sciences )は9月17日(火)に東京都港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで創立50周年記念式典を開催する。

 

このIATSSは、本田技研工業の創業者・本田宗一郎氏並びに藤澤武夫氏の「理想的な交通社会の実現に寄与する」という思いを実現することを標榜して1974年9月17日に、両氏と本田技研工業が共に拠出した基金を基に設立された。

 

設立した当時の1970年代の日本はモータリゼーションが急速に進展。人々の生活に多大な便益をもたらした一方で、死者数が1万人を超となった交通事故を筆頭に、渋滞や交通公害など様々な問題を引き起こしていた。

 

そんな背景下で、本田技研工業は1970年に二輪車・四輪車メーカーとして初めて「安全運転普及本部」を設置。交通参加者の観点から交通問題、安全の問題を考え、安全運転普及に向けた指導者の養成、安全運転教育、安全啓発キャンペーンの実施など、交通安全の実践活動をすすめてきた。

 

 

しかし交通社会に係る数々の問題は、人間、機械、環境の3つの要素が複雑に関係しあって生じるもので、本田技研工業単独の企業努力での限界を迎えた。

 

そこで安全運転普及活動を行ってきた自社の知見から、交通問題の本質的解決のためには、多岐にわたる専門分野の有機的な結びつきによる新しい科学としての研究が認識されるようになった。

 

 

結果、先の通り1974年9月17日に「交通安全をはじめとする交通社会全般の課題に対し自由に討議・研究してその成果を社会に提言する」ことを掲げてIATSSを設立。

 

IATSSは、交通工学など文理にまたがるさまざまな専門家、評論家、ジャーナリストなどが会員となり、交通社会に関わる研究を進め、研究成果を広く社会に発信し提供することで諸問題の解決に大きく貢献してきた。

 

 

またIATSSは日本だけでなく、交通問題が深刻なアジアの開発途上地域でも研究・実践活動を展開。こうした活動を通じて、開発途上地域の交通問題の解決を目指すと同時に、そこで得られた知見を日本の交通政策にも生かす「共創」の姿勢を追究してきたという。

 

1983年にはマレーシアで開催されたIATSSの国際シンポジウムに本田宗一郎氏と当時の首相であるマハティール・ビン・モハマド氏が同席。「将来のASEAN発展の源泉は人材育成である」というマハティール氏の持論に本田宗一郎氏が共感し、藤澤武夫氏と共に個人資産を提供して、1984年にアジア諸国の次世代を担う若者を対象とした研修事業「IATSSフォーラム」も設立した。

 

このIATSSフォーラムとは、8週間の集中した体験学習と現場実践を通して自国発展のためにリーダーシップを磨くもので、2024年までの39年間でASEANだけでなくインドを含むアジア10か国から1,143名の卒業生を輩出している。

 

第1回IATSSフォーラム修了式

 

IATSSは創立50周年にあたり、現在までの重要な事業活動に貢献した研究者への感謝と将来の学会の活性方針の展望を共有するべく創立50周年記念式典を開催する。IATSSでは、今後も理想的な交通社会の実現に向けて、様々な分野の専門家と関係性を築き、学会の事業活動を拡大していきたいと話している。

 

IATSS概要
法人名: 公益財団法人 国際交通安全学会
International Association of Traffic and Safety Sciences
所在地: 〒104-0028 東京都中央区八重洲2-1-1YANMAR TOKYO 6F
設立: 1974年9月
会長: 武内 和彦
活動の目的: 理想的な交通社会の実現に寄与
学会の構成: 評議員会、理事会、専門部会
専門部会: 研究調査部会…交通およびその安全に関する調査研究
広報出版部会…交通およびその安全に関する広報・出版
褒賞助成部会…交通およびその安全に関する活動に対する褒賞
IATSSフォーラム部会…諸外国における理想的な交通社会実現のための国際交流
会員数: 59名(2024年8月現在)
公式HP: https://www.iatss.or.jp

 

IATSS沿革
1974年 本田宗一郎、藤澤武夫および本田技研工業株式会社による基金をもとに、
財団法人としてIATSS設立
1975年 日本においてシンポジウムを初開催
和文の学会誌「IATSS Review」創刊
1976年 国際シンポジウム初開催(以後、1984年まで国内外で交互に開催)
1977年 英文国際学術論文誌「IATSS RESEARCH」創刊
1979年 「国際交通安全学会賞」を創設。毎年1回表彰を実施
1983年 マレーシアにおいて、国際シンポジウムがアジア初開催。
マハティール首相(当時)の持論に本田宗一郎が共感、IATSSフォーラム設立検討開始
1985年 本田宗一郎・藤澤武夫が私財を投じて「IATSSフォーラム」開始
2011年 公益財団法人設立登記
2015年 第1回国際フォーラム「GIFTS(Global Interactive Forum on Traffic and Safety)」開催

 

 

IATSS創立50周年イベント概要
開催日時: 2024年9月17日(火)13:30~16:40(開場13:00)
開催会場: 虎ノ門ヒルズフォーラム
〒105-6305 東京都港区虎ノ門1丁目23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー 5F
主催: 公益財団法人 国際交通安全学会(IATSS)
参加料: 無料(事前申込制)
申込期日: 2024年9月3日(火)12:00まで
申し込みURL: https://www.iatss.or.jp/event/ceremony_50th/

 

登壇者: 武内 和彦 (公財)国際交通安全学会会長
(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)理事長
毛利 衛 宇宙飛行士、日本科学未来館名誉館長
蓮花 一己 日本自動車連盟(JAF)副会長、帝塚山大学名誉教授・客員教授
永田 潤子 大阪公立大学教授
野中 ともよ NPO法人ガイア・イニシアティブ代表

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。