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2022年11月11日【エネルギー】

IHI、環境対応の船舶用中速エンジンの販売へ

坂上 賢治

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環境対応エンジンが搭載されたタグボート「たまの」

 

IHIグループ傘下のIHI原動機( 所在地:東京都千代田区,社長:赤松 真生 )は11月11日、燃料を電子制御で燃焼させる( コモンレールシステム )装置採用の中速エンジンの販売を開始する。( 坂上 賢治 )

 

販売するエンジンは、1838kW級の舶用4サイクル中速エンジンの〝ニイガタ6MG28HX-CR型中速エンジン〟。コモンレールシステムを採用した同エンジンシステムの販売は国内初で、PM( 排気ガス中の粒子状物質 )総排出量を約50%低減できる他、燃費向上とCO₂の削減も実現する。

 

より具体的には、エンジン本体にポンプで高圧化した燃料をパイプ(コモンレール)を搭載、電子制御によって高圧燃料を燃焼室へ噴射する。この結果、先の通り従来型エンジンと比較してPM総排出量が約50%低減。更に低負荷の状態で約6%燃費を作県。排気ガスに含まれる〝すす〟などの量(排気煙濃度)を約38%削減させる。

 

ニイガタ6MG28HX-CR型中速エンジン

 

この新開発エンジンの開発並びに販売に至った経緯は、IHI原動機が経済性と環境性能の向上に対する市場ニーズを受けて開発に着手したもの。

 

同エンジンは大手海運会社の商船三井グループ傘下の日本栄船( 所在地:兵庫県神戸市、社長:西尾 哲郎 )と総合物流企業のセンコーグループ傘下の栄吉海運( 所在地:岡山県玉野市、社長:小路 敏之 )が2017年から5年間共有しているタグボートで稼働実証試験を実施。

 

この結果、経済性・信頼性・環境優位性で所定の評価結果が得られた事で本格販売に移行するもの。

 

 

IHI原動機では「負荷変動を要するタグボートでの過酷な使用条件下で運行実証されたニイガタコモンレールシステムは、お客様毎のご要望に合わせ、各種船舶の運用形態に合わせた最適な調整が可能です。

 

コモンレールシステムの主要ハードはグループ内の自社開発装置を採用しており、一貫したサービスの提供が可能な点が大きな特徴です。

 

我々はこれまで ハイブリッド自動車と同様に蓄電池を用いた国内初のタグボート用ハイブリット推進システムや、LNGを主燃料としたデュアルフューエルエンジンを開発・販売するなど低炭素・脱炭素社会実現に取り組んで参りました。

 

現在はシステムインテグレーションとしての電気推進システムの構築及びアンモニア燃料舶用エンジンの開発を進めており、コモンレールシステムの確立は、多燃料燃焼技術向上にも寄与する要素技術です」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。