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2022年1月12日【MaaS】

電動キックボード、3割が運転免許が必要と「知らなかった」

NEXT MOBILITY編集部

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日本トレンドリサーチは1月12日、「電動キックボード」に関するアンケートの結果を公開した。

 

2021年12月、警視庁が発表した改正道路交通法案では、この法が可決されると、現在義務化されている「電動キックボード」に乗る際のヘルメットや運転免許が不要になると言われている(性能上の最高時速が時速20km以下のものに限る)。

 

これから具体的な内容を検討していくようだが、「電動キックボード」のような超小型電動モビリティーのルールは今後どうなっていくのか。

 

日本トレンドリサーチは今回、電動キックボードを「知っている」と答えた全国の男女計2,198名を対象に「電動キックボード」についてアンケートを実施した。

 

 

■「利用しようと思わない」と回答した人は62.3%
「電動キックボードを利用してみたいか」のアンケート結果は以下のようになった。

 

 

「すでに利用している」を選んだ理由
・近場を移動するときに楽。(20代・女性)
・便利で快適です。(40代・男性)

 

「ぜひ利用したい」を選んだ理由
・マンションの自転車置き場が満員で置けないため、キックボードなら自宅に置いていても邪魔にならなそうで、外出も楽にできるから。(30代・女性)
・20キロくらいで移動できれば出勤するときに使えるから。(50代・女性)
・便利そうだから。(30代・男性)
・操作が楽しそうだから。(10代・女性)

 

「機会があったら利用したい」を選んだ理由
・どんな乗り心地なのか一度試してみたいから。(30代・男性)
・子供の頃電動ではないキックボードにハマってたので、電動のキックボードにも乗ってみたい。(20代・女性)
・利用したことないし、面白そうだから。(40代・男性)
・面白そう。コナン君が乗ってるようなやつなら乗りたい。(40代・男性)
・買ってまで乗ろうとは思わない。(50代・女性)

 

「利用しようと思わない」を選んだ理由
・乗るのがなんだか恥ずかしい。(30代・女性)
・事故やトラブルに巻き込まれる可能性が高いから。(60代・男性)
・危ない事故が最近発生しているし、車を運転しているため必要ないから。(20代・女性)
・転んで自分が怪我をしたり、他の人に当たってその人に怪我を負わせたりする危険性があるからです。(40代・男性)
・法整備すらされていないものに乗らない。(50代・男性)
・法的に曖昧な乗り物に乗りたくない。(40代・男性)

 

「すでに利用している」と答えた人からは近場の移動が快適になったという意見が多かった。

 

「ぜひ利用したい」「機会があったら利用したい」と答えた人からは「楽しそう」「一度乗ってみたい」「気持ちよさそう」など「普段使いする」というよりも、アクティビティとして乗ってみたいという人が多いようであった。

 

「利用しようと思わない」と答えた人の中では「危険に感じる」「法律が定まっていないので乗るのが不安」という意見があった。

 

 

■現在は電動キックボードを運転するには運転免許が必要 31.1%の人が「知らなかった」

 

 

現在の法律では「電動キックボード」に乗るとき、原付免許以上の運転免許を保持していないと乗ることができない。そのことを「知っている」と答えた人は68.9%で「知らない」と答えた人は31.1%であった。

 

「電動キックボード」のような超小型電動モビリティーの交通ルールでは認知の差が目立つ結果となった。

 

 

■クイズ! 電動キックボード使用時に義務付けられているものはどれでしょう?
現段階で「電動キックボード」に乗るために義務付けられているものはどれかを選択してもらった。(複数回答可)

 

選択肢はヘルメット、ナンバープレート、ブレーキ、自賠責保険、バックミラー、ウインカー(方向指示器)、防犯登録、車検証、ライト、グローブの10個。

 

 

現在「電動キックボード」は「原付バイク」と同じ扱いになっているため、正解は「ヘルメット、ナンバープレート、ブレーキ、自賠責保険、バックミラー、ウインカー(方向指示器)、ライト」の7つ。

 

しかし、国からの特例で認証を受けた事業者による「ヘルメットなしでも利用することができる電動キックボードの実証実験」が一部地域で行われている場合があり、ヘルメットが義務になっていない場合もある。

 

 

■免許不要に心配する声も
電動キックボードについてどのような法律やルールがあってほしいか尋ねると、「原付バイク」程度の規制を求める声が多くあった。また、歩道への侵入や保険の義務など、現在曖昧だと感じている交通ルールをはっきりと規制してほしいと望む意見も見られた。免許制の導入や講習を受けなければ乗れないなど、改正道路交通法案に後ろ向きな意見も多かった。

 

・原動機付自転車と同レベルの規制がないとダメだと思います。(40代・女性)
・どういうところでは降りて歩くべきか等をはっきりしてほしい。(30代・女性)
・車の自賠責保険みたいな仕組みは必要だと思う。(50代・女性)
・接触が起こる可能性が多いので、きちんとした講習義務が欲しいと思います。(60代・男性)
・自転車専用道路みたいなのがあるといいと思いました。(20代・女性)
・車と同じレベルの法律など、きちんとしたものがあれば、安心材料の一部にはなるのかと思いますが、あのようなものが、公道を走るだなんて、嫌です。(40代・女性)

 

 

■「電動キックボードに関するアンケート」調査概要
調査手法:インターネットでのアンケート
調査対象者:男女
調査期間:2021年1月3日~1月6日
集計対象人数:2198名
日本トレンドリサーチ:https://trend-research.jp/11633/
株式会社NEXER:https://www.nexer.co.jp

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。