藤波貴久選手とRTL ELECTRIC
開発ライダーとして元トライアル世界チャンピオンの藤波貴久を起用
ホンダ・レーシング(HRC)は9月13日、電動トライアルバイクRTL ELECTRIC(アールティーエル・エレクトリック)で、HRCが運営するワークスチーム「Team HRC(チーム・エイチアールシー)」として、10月13日開催の2024 MFJ※2全日本トライアル選手権シリーズ 第6戦 和歌山・湯浅大会から国際A級スーパー(IAS)クラスに参戦する。
このRTL ELECTRICは、FIMトライアル世界選手権の参戦車両でトニー・ボウ選手の18連覇に貢献しているワークスマシン「Montesa COTA 4RT(モンテッサ・コタ・フォーアールティ)」で培った技術やノウハウに基づき新規に開発されたホンダ初の競技用電動トライアルバイクとなる。
同車両には、今シーズンから電動オフロードバイクの世界戦「FIM E-Xplorer World Cup」に参戦している「CR ELECTRIC PROTO(シーアール・エレクトリック・プロト)」で、新たに得た電動領域(モーターやバッテリー等)の知見が活かされた。
そんなRTL ELECTRIC開発ライダーには、2004年のFIMトライアル世界選手権チャンピオンで、現在は「Repsol Honda Team(レプソル・ホンダ・チーム)」の監督を務める藤波貴久(三重県 44歳)を起用し、同大会にライダーとして参戦する。
Hondaは、2050年に自社の関わる全ての製品と企業活動を通じて、また、2040年代には全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目指し、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化に取り組んでいる。
この取り組みについてRTL ELECTRIC開発ライダー 藤波貴久選手は、「Hondaのカーボンニュートラルへの取り組みに対し、トライアルで関わることができ、大変うれしく思っています。
電動のトライアルバイクには無限の可能性があり、ライダーとしてのこれまでの経験を活かして、開発チームとともにより良いマシンに仕上げていきたいと思っています。
今回は現役復帰ではないので、開発ライダーとしての限定ですが、久しぶりに日本のファンの皆様の前で走れることが、今からとても楽しみです」と語っている。
またホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長 渡辺康治氏は、「Hondaは今年、電動オフロードバイクレースの新しいカテゴリーであるFIM E-Xplorer World Cupの参戦を開始しましたが、この度全日本トライアル選手権にも、RTL ELECTRICで参戦することを決めました。
電動二輪車で参戦するカテゴリーを増やしていくことで、技術を実戦の場で鍛え、ノウハウ・知見の蓄積、人材の育成をさらに加速させていきます。最後になりましたが、このプロジェクトに全面的に協力してくれた藤波貴久さんには、心から感謝いたします」と述べた
参戦体制
– 参戦チーム名: Team HRC
– 参戦車両名: RTL ELECTRIC
– 参戦ライダー: 藤波貴久(ふじなみ・たかひさ)
– アシスタント: Carles Barneda Romans(カルロス・バルネダ・ロマンス)
藤波貴久のプロフィール
生年月日: 1980年1月13日(44歳)
出身地: 日本(三重県)
主な略歴
– 1993年 MFJ全日本トライアル選手権 国際B級に13歳で参戦
– 1995年 MFJ全日本トライアル選手権 国際A級 チャンピオン
– 1998年 FIMトライアル世界選手権 4位、MFJ全日本トライアル選手権 IAS チャンピオン
– 1999年 FIMトライアル世界選手権 2位、MFJ全日本トライアル選手権 IAS チャンピオン
– 2000年 FIMトライアル世界選手権 2位、MFJ全日本トライアル選手権 IAS チャンピオン
– 2001年 FIMトライアル世界選手権 2位、MFJ全日本トライアル選手権 IAS チャンピオン
– 2004年 FIMトライアル世界選手権 チャンピオン
– 2021年 26年間参戦してきたFIMトライアル世界選手権を選手として引退
– FIMトライアル世界選手権 出場数:355戦、優勝回数:34勝
– 2022年 ワークスチーム「Repsol Honda Team」の監督に就任