本田技研工業は、10月21日、2018FIMロードレース世界選手権権シリーズ第16戦日本GP(10月21日・ツインリンクもてぎ)のMotoGPクラスにおいて、レプソル・ホンダ・チーム(Repsol Honda Team)のマルク・マルケス選手が優勝し、3年連続5回目のシリーズチャンピオンを獲得したと発表した。
MotoGPは、FIM(Fédération Internationale de Motocyclisme 国際モーターサイクリズム連盟)が主催する世界最高峰の2輪車ロードレース。
マルケス選手は、2013年にホンダ・レーシング(以下HRC)の契約ライダーとなり、Hondaワークスチームのレプソル・ホンダ・チームからMotoGPクラスに参戦し、デビューイヤーでシリーズチャンピオンを獲得。その後も2014年、2016年、2017年にチャンピオンに輝いている。
マルケス選手にとってクラス参戦6年目、欧米やアジア、豪州等世界各地で全19戦が開催されている今シーズンは、序盤の2戦こそ勝利を逃すも、第3戦アメリカズGPから3戦連続で優勝。
日本GPまでにポールポジション5回、優勝7回と安定した成績を収め、ポイントランキングで独走。今回の日本GPでは、年間ポイント2位のドゥカティ(イタリア)契約ライダー、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手より前でゴールすればチャンピオンを獲得する状況だった。
そして迎えた日本GP。予選は6番手だったものの、レースではチャンピオン争いを戦うドヴィツィオーゾ選手や、同じホンダのカル・クラッチロー選手らと激しい首位争いを展開。
しかし残り2周でドヴィツィオーゾ選手があえなく転倒。これによりマルケス選手はホンダの八郷隆弘社長の優勝の期待というプレッシャーをはねのけ、トップでゴール。残り3戦を残しチャンピオンを決めた。
3位には成長著しいチーム・スズキ・エクスターのアレックス・リンス選手が、8番グリッドから表彰台の一角に食い込んだ。リンス選手の3位獲得は今季、第8戦TTアッセンから3度目となる。この結果、暫定の年間ランキングで総合10位から9位に浮上している。
ゼッケン4番ドヴィツィオーゾ選手、ゼッケン93番マルケス選手、ゼッケン35番クラッチロー選手
なお、このもてぎ日本GPに日本人選手としてワイルドカードで参戦した8耐の覇者・中須賀克行選手(ヤマルーブ・ヤマハ・ファクトリー・レーシング)は、4位に入ったバレンティーノ・ロッシ選手(モビスター・ヤマハ・MotoGP)と同仕様のマシンを駆ったものの、フリー走行で転倒を喫するなど状況が思わしくなく、スタート時の20番手から追い上げ、ポイント圏内の14位フィニッシュした。
その後方は、日本人としてフル参戦中のMotoGPライダー、中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)が15位でフィニッシュ。彼は1周目の3コーナーから4コーナーにかけてコースアウトを喫し、一気に順位を落とし、以降の浮上は果たせずに終わった。
ここ暫く日本人ライダーによるシングルフィニッシュ(ひと桁台での入賞)は達成されておらず、この目標達成に関しては、次戦以降におあずけとなった。
マルク・マルケス選手のコメント
「とにかく、今は本当に幸せな気持ちです。思い描いていた通りのレースができました。(予選)6番手からのスタートでしたが、戦略通りに1周目の終わりには2番手へ浮上してドヴィツィオーゾ選手との一騎打ちに持ち込めました。前戦のタイGPと同じく終盤でアタックを仕掛けてトップを奪いました。ドヴィツィオーゾ選手が転倒したというピットからのサインを見て自分のタイトル獲得が決定したのが分かり、素晴らしい気持ちになりました」
本田技研工業 八郷隆弘 代表取締役社長のコメント
「二輪ロードレースの最高峰でチャレンジを続け、5度目のチャンピオンを獲得したマルク・マルケス選手を心から祝福します。またHondaにとってホームとなる日本GPで多くのファン・関係者が見守る中、チャンピオンを勝ち取ってくれたことを大変うれしく思います。今後もHondaは、皆さまと感動を共有できるレース活動を目指し、取り組んでまいります。ご声援ありがとうございました」
ホンダ・レーシング 野村欣滋 代表取締役社長のコメント
「3年連続チャンピオン獲得への期待と重圧がある中でも、シーズンを通して果敢なライディングでファンを魅了し、チャンピオンを獲得したマルケス選手の栄誉を称えたいと思います。またその走りを支え、尽力してくれたチームスタッフ、そしてレース活動を支えてくれた多くのスポンサーと、世界中のMotoGPファンに感謝いたします」