ホンダは、“素足で歩ける砂浜を次世代に残したい”との想いから2006年に始めた、砂浜の清掃活動「Hondaビーチクリーン活動」が、今年15周年を迎えたと発表した。
当初ホンダの従業員やOBなどの15人からなる「ビーチクリーンキャラバン隊」で始められた活動は、現在、全国のホンダ販売店等、グループ企業や地域住民等に協力の輪が広がり、年間参加者7,000人を超える活動へと発展。これまでに全国200カ所以上の砂浜で約400回の清掃を実施し、回収したゴミの総量は490トンにものぼると云う。
活動では、目につく大きなゴミを手で拾った後、独自開発した「Hondaビーチクリーナー」を使用して砂を除き、ゴミを回収。回収ゴミの中には、危険なガラス片や釘、生態系への影響が懸念されるペットボトルなど、様々なものがある。
ホンダでは、この砂浜の清掃活動を、子供を対象とする環境授業としても展開しているが、活動15周年の節目にあたり、車椅子の利用者も参加できる「Hondaビーチクリーン・ユニバーサルプロジェクト」を、この秋に大分県で実施予定。この新たな試みを通じて、車椅子で砂浜を移動する喜びや、海辺の楽しさを体感してもらうことで、ビーチクリーン活動から生まれるさらなる喜びの拡大を目指したいとしている。
<活動実績> ※2020年はコロナ禍のため活動中止
参加人数(累計55,959人)
活動を支える技術:Hondaビーチクリーナー
ホンダのATV(all-terrain vehicle、全地形対応車)技術者が、市場性調査の際、様々なゴミが散乱する砂浜を見て“技術で海岸をきれいにしたい”と考えたことをきっかけに独自開発されたHondaビーチクリーナーは、砂浜の走行に適したATVを用い、特許を取得した機材を牽引し清掃を行うシステム。
・サンドレーキ:ゴミをかき集める熊手
底部の多数のピンが砂を掘り起こし、中に埋もれたゴミを回収。重量は約30kg、ピンの長さは砂の中に生息する生き物への影響を考慮して10cmとした。
・サンドスクリーン(通称:バタバタ):砂とゴミを分けるふるい
前部の鉄のバーが小さなゴミを砂とともに跳ね上げ、スクリーン(網)をバタバタと振動させて砂をふるい落とし、ゴミだけを回収する仕組み。重量は約70kg。砂浜への負荷を小さくするため、シンプルで軽量な構造となっている。
・ゴミ回収ステーション:ゴミを回収・分別
トレーラーの荷台にレール状のパイプを組んでゴミを回収。サンドレーキやサンドスクリーンで集めたゴミをここで回収し、スタッフの手で丁寧に分別。
・回転式スクリーン(通称:ぐるぐる):砂とゴミを分けるふるい
回転式ドラムの中にゴミ混じりの砂をスコップで投入し、ぐるぐる回すことで砂をふるい落としてゴミを回収。サンドレーキやサンドスクリーンが使えない、砂が湿った波打ち際や海岸の隅でも使用でき、活動範囲を拡大。
なお、WIPO GREEN(※1)に登録されている上記技術は、6月17日にオンライン開催される日本知的財産協会(JIPA)環境シンポジウム(※2)にて、環境対策の具体的技術として紹介される。
※1:国連の世界知的所有権機関(WIPO:World Intellectual Property Organization)によって2013年に設立された国際的な環境技術パッケージプラットフォーム。データベースおよびネットワーキングを通じて環境技術の提供者とそれを使いたい希望者をつなぎ、環境保全技術におけるイノベーションの促進と普及を目指している。
※2:環境シンポジウムHP:https://www.jipa.or.jp/jyohou_hasin/sympo/210617_intl_ip_sympo.html
ホンダは、豊かな自然、クリーンな海、すべての人の安全、子ども達が自由に夢を叶える未来、みんなが暮らしやすい社会など、夢のある明日の社会づくりを目指し、今後も、社会貢献活動に積極的に取り組んでいくとしている。
■(ホンダ)Hondaの社会貢献活動:https://www.honda.co.jp/philanthropy/beach/15th_anniversary/